三笘、遠藤、鎌田、久保…欧州3大リーグ所属&日本代表最注目4選手の今シーズンの立ち位置は?
開幕から期待通りの活躍を見せるブライトンの三笘(左)と、加入してすぐに起用されたリバプールの遠藤。10月8日にはブライトン対リバプール戦が組まれており、今から待ち遠しい 【写真は共同】
三笘薫(ブライトン/プレミアリーグ)
相手4人を置き去りにするスーパーゴールを決めた三笘。プレミア2年目の今季、真のワールドクラスの称号を得られるだろうか 【写真:アフロ】
プレシーズンツアーのために来日していたマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督も「三笘は信じられないほど素晴らしい選手。彼はふさわしい監督のもと、正しいクラブでプレーしている」と名指しで言及した。今夏、シティ移籍の噂が持ち上がったのも自然な流れだった。
ただ、現時点ではブライトンの主軸であることに変わりはない。プレミアリーグ開幕戦のルートン・タウン戦で先制点をアシストした三笘は、続く第2節のウォルバーハンプトン戦で1得点1アシストを記録し、ブライトンの連勝に大きく貢献する。特に左サイドからドリブルで一気に加速して4人のディフェンスを置き去りにして決めたウォルバーハンプトン戦での今シーズン初ゴールは圧巻だった。
勝負の2シーズン目は上々のスタートだ。とはいえ、対戦相手が昨シーズンよりも厳しい「三笘対策」を講じてくるのは間違いない。1対1では敵なしの日本人ウインガーに、1対2や1対3という困難な状況を突きつけるような相手も増えてくるだろう。実際に第3節で対戦したウェストハムは、右サイドバックと右ウイングの2人に三笘を徹底マークさせ、持ち味を発揮させなかった。
昨シーズン終盤、ブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督は伸び盛りの26歳に「来シーズンは最低でも15得点を」と高い目標を与えた。プレミアリーグ参戦2年目の今シーズンは自身初の欧州カップ戦出場も控えている。その中で昨シーズンの公式戦10得点8アシストを大きく上回る成績を残せれば、三笘は真のワールドクラスという称号を手にすることができるだろう。
遠藤航(リバプール/プレミアリーグ)
加入してすぐ起用された遠藤だが、2試合続けて退場者が出るという不運に見舞われた。戦術を理解するには、もう少し時間が必要だろう 【写真:REX/アフロ】
リバプールは遠藤獲得に1900万ユーロ(約30億円)もの移籍金を支払い、異例とも言える4年契約を提示した。今夏、ジョーダン・ヘンダーソンやファビーニョがサウジアラビアへ移籍し、ジェームズ・ミルナーやアレックス・オックスレイド=チェンバレンら中盤の実力者を数多く失ったなか、ブライトンのモイセス・カイセドとサウサンプトンのロメオ・ラビア(ともにチェルシーへ移籍)の獲得に失敗。リバプールにとってアンカーを担える選手の補強は急務で、遠藤に白羽の矢が立ったのである。
当然、クラブの補強方針に合致しない30歳の選手獲得に30億円を投じたことを疑問視する声もあった。しかし、ユルゲン・クロップ監督が初対面した遠藤に「君の力が本当に必要なんだ」と伝えた映像からも期待の大きさは伝わってくる。その指揮官は加入翌日の19日に、遠藤をプレミアデビューさせた。チーム練習もままならなかったが、3番を背負った日本人MFは味方に退場者が出て数的不利だったリバプールの勝利に大きく貢献した。
プレミア初先発となった27日のニューカッスル戦でも序盤に味方が退場し、攻守両面で持ち味を発揮しきれなかったが、評価が揺らぐことはなさそうだ。クロップ監督は試合後のインタビューで苦笑いを浮かべながら「遠藤にとっては大惨事になってしまった。またしても10人での戦いになってしまって、我々のやり方をつかみきれないままプレーしている」と述べ、2試合連続で1人少ない状況でのプレーになってしまった遠藤を擁護した。リバプールの中盤で日本代表キャプテンの真価が試されるのはこれからだ。