アジア勢が健闘する中での開催国敗退 短期連載「異例づくめのW杯をゆく」
アル・ジャノブ・スタジアムにて、国旗を誇らしげにたなびかせるオーストラリアのサポーター 【宇都宮徹壱】
強豪国も気になるけれど「アジア勢の躍進」にも注目!
後者は意外にも、今大会初となる欧州勢同士の対戦。両者は4年前のロシア大会でもグループで同組になり、この時は0-0で終わっている。4年ぶりとなるW杯での再戦は、キリアン・エムバペの2つのゴラッソで、フランスが2-1で快勝。グループ突破の一番乗りを果たした。
ただし、一方的な展開というわけではなかった。デンマークもCKから、アンドレアス・クリステンセンが頭で意地の同点弾。後半41分のエムバペの決勝点が決まるまでは、どちらに転んでもおかしくない、さながらトーナメントのように緊迫したゲームだった。
デンマーク戦、後半41分に決勝点決めたエムバペ 【写真:ロイター/アフロ】
連敗すればあとがないオーストラリアは、前半23分のミッチェル・デュークのゴールが決勝点となり、2010年大会以来となるW杯勝利を挙げた。祖国の3大会ぶりのW杯勝利に貢献し、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれたデュークは、J2のファジアーノ岡山所属。われわれの身近なサッカーが、しっかり世界とつながっていることを確認できたゲームでもあった。
フランスやブラジル、アルゼンチンのような強豪国も確かに気になるけれど、今大会は間違いなく「アジア勢の躍進」にも注目が集まっている。当連載が2日間お休みしている間に、グループステージは2巡目に入った。日本がコスタリカとの重要な一戦を迎える前に、ここまでの流れをアジア勢中心に振り返ることにしたい。