【W杯・コスタリカ戦3つの焦点】コスタリカの心理状態を逆手にとって、試合巧者ぶりを見せつけろ

飯尾篤史
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左ふくらはぎの違和感はもうなくなった。コスタリカ戦で守田が先発する可能性は低くない 【写真は共同】

 劇的勝利を収めたドイツ戦から中3日、11月27日にコスタリカとの第2戦が組まれている。初戦で大敗したコスタリカはどんなメンバー、どんなプランでゲームに臨んでくるのか。日本はそれを上回るだけの戦いを見せられるのか。勝ち点3が求められるコスタリカ戦に向けた3つの焦点を掘り下げる。

2時間後のショッキングな大敗

 世界中に衝撃を与えた日本のドイツ撃破から2時間後――。

 それとは違う意味で衝撃をもたらしたのが、スペイン対コスタリカ戦だった。

 スペインが最後までギアを緩めずゴールを取り続け、終わってみれば7-0!

 今大会ではここまでイングランドがイランに6-2、フランスがオーストラリアに4-1と大勝しているが、それらを上回る大差となった。

 コスタリカにとっては7失点を喫しただけでも悪夢だが、シュートを1本も打てない文字通りの完敗だった。しかも、コスタリカの最大の強みは、名GKケイラー・ナバスを中心に堅守にある。プライドをズタズタに切り裂かれるショッキングな大敗だった。

 なぜ、これほどまでに大差がついたのか。

 この試合は現地時間19時キックオフ(日本時間の25時)だったため、スペインの選手たちはドイツが日本に敗れたことを知っている。そのため、油断や隙を一切排除し、最初から最後までギアを落とすことなく戦い抜いたことが要因のひとつだろう。

 一方、コスタリカにとってエクスキューズもあった。

 クウェートで事前合宿を組んだコスタリカは、11月17日にイラクとW杯前最後の調整試合を予定していた。ところが、イラク入国の際のトラブル(パスポートにイラク入国のスタンプがあると、米国などへの入国に影響するため、特別ビザの発給を受けることで事前に合意。しかし、入国審査でイラク側がパスポートへのスタンプを主張したため、コスタリカ側が拒否)によって試合が中止となってしまった。

 そのため、ヨーロッパでプレーする選手たちを加えたフルメンバーで最終確認をすることができず、ぶっつけ本番でスペインを迎えることになる。これも、大敗の要因だろう。
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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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