連載:高校野球の盟主・大阪桐蔭の強さの秘密

大阪桐蔭のオールタイム・ベストナイン 名選手がひしめく中でも最強の9人は?

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西岡(写真左)は02年度卒、森(写真中央)は13年度卒、藤原(写真右)は18年度卒。全世代を通じて最強の9人を選び出した 【写真は共同】

 大阪桐蔭はこれまでに多くの好選手を輩出してきた。プロ入りした者は40人を超え、球界を代表するスターになった選手も少なくない。そうした卒業生の中から、最強の9人を選び出すとしたらどんな顔ぶれになるか。プロでの実績を重視したベストナインに加え、プロ経験のない選手に限定した非プロ・ベストナインも選んだ。

沢村賞受賞のレジェンドが投手の筆頭格

【投手】
 相手を圧倒する「強打」のイメージが強い大阪桐蔭だが、好投手も多く輩出している。

 筆頭格は、中日のエースとして活躍した今中慎二だろう。大阪桐蔭は1988年に「大阪産業大学高校大東校舎」から「大阪桐蔭高校」として分離独立。その「1期生」にあたるのが、今中の世代だ。

 左腕の今中は88年のドラフト1位で中日に入団した。身長182センチ・体重73キロの細身の体。140キロ台中盤の直球と100キロに満たないスローカーブを投げ、実に50キロ以上の緩急を駆使した。93年には17勝を挙げ、最多勝、ベストナイン、沢村賞などを獲得。プロ通算で91勝(69敗)を挙げた。

 現役では藤浪晋太郎(阪神)が代表格だろう。2012年に甲子園で春夏連覇を達成し、ドラフト1位で阪神に入団。1年目から3年連続で二桁勝利を挙げたが、その後は制球難に苦しみ、突き抜けられないでいる。

 関西大を経て阪神に入団した左腕の岩田稔(大阪桐蔭は02年度卒)も印象深い投手。高校時代に発症した1型糖尿病と戦いながら、昨年引退するまで通算60勝を挙げた。

 辻内崇伸(元巨人)もすさまじいポテンシャルを秘めた左腕だった。05年夏の甲子園では150キロ超を記録。ドラフト1位で巨人に入団するも、度重なる肩、ひじのケガに苦しみ、1軍登板がないまま、13年限りで引退した。

 のちほど外野手部門で登場する中田翔(巨人)も高校時代は投手。右ひじを故障した影響で本来の力を出し切れなかったが、投手としてのポテンシャルは打者以上だったという評価もある。

【捕手】
 森友哉(西武)で異論は出ないだろう。12年に2年生捕手として藤浪ら投手陣をリード。打っても強打の1番として春夏連覇に大きく貢献した。特にバットの芯でボールをとらえる能力は、歴代の大阪桐蔭の選手の中でも随一と言われ、19年には打率.329でパ・リーグの首位打者にも輝いた。

 西谷浩一監督が捕手出身だけに、岡田雅利(西武)、江村直也(ロッテ)と、プロでは控えながらチームに欠かせない存在となっている選手の存在も見逃せない。
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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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