藤浪(左)、森の超強力バッテリーを中心とした2012年と、根尾(右)、藤原など多くの注目選手を擁した2018年。ともに春夏連覇の偉業を成し遂げた2つのチームが他を圧倒する支持を集めた【写真:アフロ】
甲子園で春夏連覇を果たした2つのチームが、他を大きく引き離してトップ2を占めたのは妥当な結果と言えるだろう。ファンには最大3チームまで投票してもらったが、2012年、2018年とも得票率は50パーセントを超えた。
どちらも「最強」の称号にふさわしいチームだが、栄えある1位に輝いたのは2018年。夏の全国選手権ではベンチ入りメンバーのうち16人が3年生だったが、そのなかから根尾昂(中日D1位)、藤原恭大(ロッテD1位)、横川凱(巨人D4位)、柿木蓮(日本ハムD5位)の4人が高卒でプロ入りした。
投票したファンからは、「大阪桐蔭史上、一番のスター選手揃いで、かつ春夏連覇を成し遂げた最高で最強チーム」「オールスターのように注目選手揃いだった」「注目選手もいたが、他の選手もそれぞれ個性があって役割がしっかりしていて、1番から9番まで切れ目がなかった」といったコメントのほか、「心・技・体、全てにおいて強く、大人なチームでした」「チームワークと精神力と個人の能力が高かった」「圧倒的なチームの総合力があり、負ける気がしなかった」「他のどの年よりも全国が打倒・大阪桐蔭で向かってきている雰囲気を感じた」「金農フィーバーの中、それをぶっ飛ばした」などの賛辞が寄せられた。
一方、2012年を選んだファンから多く聞かれたのが、藤浪晋太郎、森友哉のバッテリーを称える声だ。「最強のバッテリーだった」「藤浪、森のバッテリーは数十年に一度ぐらいのすごさだと感じた」「藤浪-森のプロで即通用するレベルのバッテリーは反則」……。
特に藤浪に対しては、「高校生のレベルをはるかに超えた圧倒的なピッチング」「四死球はともかく、誰が打てるんだろうと思って見ていた」などと絶賛の嵐。「2018年は、打撃はすごかったけど大エースはいなかった」と、藤浪の存在が2018年ではなく2012年を選んだ決め手というファンも。さらに「藤浪、澤田の二枚看板は10年経った今でも最強」「控え投手の澤田も普通にエースクラス」と、現在オリックスでプレーする2番手の澤田圭佑を含めた投手力を選出理由に挙げるファンもいた。
2018年の中心選手だった根尾や藤原、中川卓也(早稲田大)、山田健太(立教大)が、2年生ながらレギュラーに名を連ねていた2017年もトップ10(6位)に入った。「福井くんの抜群のキャプテンシーで非常によくまとまったチーム」「福井キャプテンの人間力の高さには、本当に感動しました」などと、選出者のコメントで目立ったのが、主将を務めた福井章吾(トヨタ自動車)のリーダーシップへの賛辞。さらに「二遊間の守備力は歴代の高校野球でもトップクラスだった」と、二塁手・坂之下晴人(三菱重工West)と遊撃手・泉口友汰(NTT西日本)の3年生コンビの守備力を称える声も聞かれ、「最強世代の2年生と頼れる3年生の構図が本当に好きでした!」というコメントもあった。
夏の甲子園・準決勝で延長戦の末に敗れ、優勝には手が届かなかったが、2005年のチームを「最強」に推すファンは少なくない。「あの時の辻内はまるで漫画の主人公みたいに華があって投げっぷりも豪快だった」というコメントも【写真は共同】
春のセンバツを圧倒的な強さで制した今年のチームも多くの支持を集めた(4位)。集大成である「夏」を前に得票率が10パーセントを超えたのは、それだけ昨秋から春にかけてのインパクトが強く、夏への期待が大きいからでもあるだろう。ファンからは、「公式戦29連勝は破格」「藤原・根尾世代よりも投手力、打撃力ともに隙が見当たらない」「4枚の左右のエース、どこからでもホームランが打てて切れ目のない打線。今までの桐蔭のチームとはレベルが違いすぎる。他校とのチーム力の差が過去最大」といったコメントが届いた。
今年のチームをわずかに上回り、3位に入ったのが2005年のチームだ。全国制覇は果たせなかったものの、辻内崇伸、平田良介と投打とも太い柱がいて、1年生の中田翔も鮮烈な印象を残した。投票したファンから寄せられたのは、「PL学園以来の衝撃を受ける強さが感じられた」「今でもスタメン全員を言えるくらい個性豊かでロマンのあるチームでした」「最強ピッチャー、最強バッターが両方いるチーム」「平田のホームランと辻内のストレートは印象が強い」といった声だ。
当時1年生だった中田が3年生となり、投打の柱としてチームを引っ張った2007年のチームが5位。夏は大阪大会決勝で惜しくも敗れ甲子園出場が叶わなかったが、「(4番の)中田だけでなく、3番・山口祥継、5番・堀拓真、生島峰至など強打者揃いのロマンの塊のチームで、ポテンシャルは最強だと思う」などと支持するファンは多い。
1番・遊撃手として攻守にわたって躍動した浅村を中心に、2008年夏に17年ぶりとなる全国優勝を飾ったチームは8位に入った【写真:アフロ】
夏に17年ぶり2度目の甲子園優勝を果たした翌2008年のチームが8位。「史上最強の1番打者。ショートの守備がえぐすぎました」という浅村栄斗が中心選手で、「決勝の点差(17-0)」を選出理由に挙げるファンもいた。
その17年前、初出場にしていきなり全国制覇を成し遂げた1991年のチームもトップ10入り(9位)。春のセンバツで初めて甲子園の舞台に登場した新興校は、この大会でベスト8の好成績を収めると、夏には「(3回戦で)秋田に逆転勝ちして波に乗った」チームは一気に頂点に上り詰めた。
投票したファンからは、「当時、PLや上宮をはじめ強豪校がたくさんあるなか、突然現れて全国優勝までしたインパクトがすごかった」「爽やかで明るいイメージで勝ち進む不思議な強さ」といったコメントや、「沢村通くんの熱い眼差しとサイクルヒットにはしびれました!」「和田(友貴彦)と背尾(伊洋)のダブルエース。背番号10(背尾)がプロ入りした(近鉄D5位)のを初めて見た」という声が寄せられた。
続く10位も、夏の甲子園で優勝した2014年のチームだ。選んだ理由としては、「メンバー全員でチームのためという意識が強く見えた」「キャプテン中村(誠)から始まる打線は恐怖と勢いを感じた」といったものがあった。
春、夏とも甲子園出場はならなかったものの、トップ10に食い込んだのが2001年のチーム(7位)。「中村(剛也)、西岡(剛)の2人のバランスが良いイメージ」「大阪桐蔭史上最強打線(ジュラシックパーク打線)」、さらに「2002のOBですが、打線は2001年が最強です! 甲子園に出ていたら優勝できたと!」と同校OBからも推しのコメントが届いた。
(企画・編集:YOJI-GEN)