連載:カタールW杯組分け決定!「日本は世界で勝てるのか」

佐藤寿人が授ける「W杯8強」への秘策 ドイツ戦とスペイン戦のキーマンは……

西川結城
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東京五輪準決勝で敗れた強豪スペインとも同居する厳しいグループだが、「これまでやってきたことを思い切りぶつけてほしい」と佐藤氏 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 カタール・ワールドカップ(W杯)に挑む日本代表が、いささか厳しいグループに組み込まれたのは事実だろう。しかし、ドイツとスペインという真の強豪国から勝ち点をもぎ取らなくては、「ベスト8以上」という大目標には手が届かない。ここでは日本代表のOBで、サンフレッチェ広島時代には森保一・現代表監督と師弟関係にあった佐藤寿人氏に、日本がグループリーグを突破するための秘策を伝授していただく。

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中堅・ベテラン世代が充実するドイツ

佐藤氏が注目するギュンドアン(右)など、2列目に点の取れるタレントがひしめくドイツ代表。日本は中盤の3人を中心にコンパクトな陣形を保ちたい 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 カタール・ワールドカップ(W杯)の抽選会で、日本がドイツ、スペインと同じグループに入った瞬間、みなさんはどんな感情が湧き上がりましたか? 僕はもうワクワク感しかなかったですね。優勝を狙う真の強豪国と、W杯という大舞台で日本がどのように戦うのか、本当に興味が尽きません。

 ただ、日本は「ベスト8以上」という目標を掲げているわけですから、こうした強い相手を倒し、とにかくグループリーグを突破しなくてはなりません。ということで、今回あらためて、僕自身の視点でドイツとスペインの戦力を分析し、その攻略法について考えていきたいと思います。

 初戦で対戦するドイツは、チームスタイルの継承と発展が連綿と繰り返されてきた印象です。監督の系譜を見ても、自国開催の2006年W杯を指揮したのがあのユルゲン・クリンスマン(元ドイツ代表FW)で、その下でコーチを務めていたヨアヒム・レーヴが大会後に跡を継ぎ、15年に及ぶ長期政権を築きました。そして現監督のハンジ・フリックも、バイエルン・ミュンヘンで成功を収める前は、レーヴ体制下の代表チームで8年間コーチとして経験を積んでいます。こうした理想的なバトンの受け渡しからも、ドイツ代表の組織の盤石さ、隙のなさを感じるのです。

 最近、僕はイングランド・プレミアリーグの試合解説をさせていただいていますが、世界最高峰のリーグと言われるプレミアの舞台でも、ドイツ代表の選手たちは出色のプレーを見せています。

 FWで言えば、チェルシーのティモ・ヴェルナー。純粋なセンターフォワード(CF)ではありませんが、サイドに流れてチャンスメイクをしながらフィニッシュに絡み、さらに守備の強度も備えたアタッカーです。また同じチェルシーには、MFのカイ・ハベルツ、センターバック(CB)のアントニオ・リュディガーといった優秀なタレントもいます。

 自国で育った選手が、イングランドやスペインの強豪クラブへとステップアップしていくケースが多いのですが、なかでも注目選手を挙げるとすれば、マンチェスター・シティのイルカイ・ギュンドアンですね。

 MFながらシティではゼロトップのような役割も果たしていて、神出鬼没にゴール前へと飛び出してくるプレーは、まさしく掴みどころがありません。現在のドイツ代表には“アラサー”の選手が多く、ギュンドアンも32歳。20代後半のレオン・ゴレツカやヨシュア・キミッヒなども含め、脂の乗った選手たちがチームをけん引しています。彼ら中堅・ベテラン世代の充実がドイツ代表の特徴でもあります。

 ベテランと言って忘れてならないのが、トーマス・ミュラーですね。器用な選手でプレーの引き出しが豊富。味方を見て適切な立ち位置を取り、柔軟なプレー選択ができるし、守備のスイッチも上手く入れられる。チームの攻守を機能させる上で欠かせないタレントです。彼やレロイ・ザネ、ギュンドアンなど、ドイツは2列目に点が取れる選手を多く抱えています。CFのヴェルナーが広範囲に動き、そうして空いたスペースを彼らが突いてくるシーンが頻繁に見られますね。
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著者プロフィール

西川結城

サッカー専門新聞『EL GOLAZO』を発行する(株)スクワッドの記者兼事業開発部統括マネージャー。名古屋グランパス担当時代は、本田圭佑や吉田麻也を若い時代から取材する機会に恵まれる。その後川崎フロンターレ、FC東京、日本代表担当を歴任。その他に『Number』や新聞各紙にも寄稿してきた。現在は『EL GOLAZO』の事業コンテンツ制作や営業施策に関わる。

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