連載:カタールW杯組分け決定!「日本は世界で勝てるのか」

カタールW杯・E組「タレント力比較」 日本が“2強”に肉薄するポジションは?

YOJI-GEN

W杯でスペイン、ドイツと戦うことになった日本。欧州の2つの大国とは、戦力的にどれくらいの差があるのか 【写真:REX/アフロ】

 今年11〜12月にカタールで開催されるワールドカップ(W杯)。その組分け抽選が行われ、日本はスペイン、ドイツと同じグループに入った。もう1か国はまだ決まっておらず、6月に予定されている大陸間プレーオフで決定する。W杯優勝歴を持つ2つの大国は、日本と比較してどの程度の戦力を誇るのか。ここでは、FW、MF、DF、GKのポジション別に、プレーオフを戦うコスタリカ、ニュージーランドを含めた5か国の「タレント力」をS〜Eの6段階で評価した。

FWの査定

ドイツはこの数年、CF探しに苦慮している。現在1トップを務めるヴェルナー(左)も、他の列強国のストライカーと比べると見劣りする 【Photo by Andre Weening/BSR Agency/Getty Images】

日本:C
スペイン:B
ドイツ:B
コスタリカ:E
ニュージーランド:D


 今なお大迫勇也がレギュラーを務めるセンターフォワード(CF)は、日本のウイークポイントと言っていいだろう。大迫はドイツで長くプレーした実績があるとはいえ、キャリアの下り坂に差し掛かっているのは否めない。今季のJ1リーグでは、ここまで5試合で無得点だ。セルティックで結果を出している古橋亨梧と前田大然にしても、国際舞台での経験が足りない。

 それでも、南野拓実、伊東純也が中心のウイングは、三笘薫がスーパーサブとして地位を確立しつつもあり、充実した陣容と言える。最終予選の佳境で活躍した伊東と三笘は、本大会で一気に名を揚げても不思議ではない。3トップ全体で見れば、「C」評価というところだろう。

【Photo by Markus Gilliar/GES-Sportfoto via Getty Images】

 スペインとドイツの“2強”は、他の列強国と比較するとどちらも強力な陣容とは言い難い。例えば、キリアン・エムバペ、カリム・ベンゼマという世界最高峰のストライカーを2枚擁するうえに、アントワーヌ・グリーズマンも健在のフランスと比べると、両国ともタレントが小粒だ。

 3トップが基本形のスペインで、CFに固定されているのがアルバロ・モラタ。ユベントス所属の29歳は大柄ながらスピードもある万能型だが、独力で違いを作り出せる真のワールドクラスではない。しかもCFのバックアッパーは実質不在。CFの控えも兼ねるウイングのフェラン・トーレスが、今冬に移籍したバルセロナで存在感を示しているのはプラス材料だが、選手層も含めて盤石とは言えない。怪我もあって代表から1年以上遠ざかっているバルサの19歳、アンス・ファティの復帰を望む声も挙がっている。

 ドイツもスペインと状況が似ている。4-2-3-1システムの1トップは快足ティモ・ヴェルナーだが、2020年夏に加入したチェルシーでいまだインパクトを残せていない。今予選では5試合で5ゴールを挙げたとはいえ、対戦相手はどこも明らかな格下で額面通りには受け取れない。朗報は、新鋭カリム・アデイェミの台頭。オーストリアのレッドブル・ザルツブルクでブレイクした20歳は、CFの人材難に苦しむドイツの希望だ。

 大陸間プレーオフを戦う2か国を見ると、クリス・ウッドという軸がいるが、ニュージーランドは日本より少し下というレベルか。今冬にバーンリーから同じプレミアリーグのニューカッスルに移籍したエースは、空中戦に自信を持つ基準点型CFだ。少なくとも、かつてアーセナルなどでプレーしたホエル・キャンベルが停滞気味のコスタリカよりは上だろう。

MFの査定

19歳の超逸材ペドリ(中央)がバルサで存在感を増している。今の勢いをもってすれば、カタールの地で世界を驚かせるかもしれない 【Photo by Alex Caparros/Getty Images】

日本:C
スペイン:S
ドイツ:A
コスタリカ:E
ニュージーランド:E


 日本の中盤は粒ぞろいだ。3センターハーフを形成する遠藤航、田中碧、守田英正に加えて、セルティックで評価を高めている旗手怜央もおり、前回大会を経験している原口元気も健在。より攻撃的な久保建英や堂安律もいて、タイプもさまざまだ。とはいえ、シュツットガルトで重要な戦力となっている遠藤、あるいは久保にしてもワールドクラスとまでは言えない。世界基準に照らせば、「C」が妥当な評価ではないか。

 日本と比べると、スペインとドイツのMF陣は個のクオリティ、経験値とも明らかに上だ。

 スペインは、シャビ、アンドレス・イニエスタらとともに2010年大会の優勝に主力として貢献したセルヒオ・ブスケッツが太い柱として君臨。コケ、さらに最近は代表から遠ざかっているものの、南野のリバプールでの同僚であるチアゴ・アルカンタラもまだまだ元気だ。ブスケッツと同じバルサに所属する2人の超逸材、ペドリとガビもトップレベルの戦いを経験しながらぐんぐん成長している。中盤のタレント力は全出場国の中でも屈指だろう。

 ヨシュア・キミッヒを筆頭に、レオン・ゴレツカ、レロイ・ザネ、セルジュ・ニャブリ、トーマス・ミュラー、さらに19歳の逸材ジャマル・ムシアラと、ハンジ・フリック監督が昨季まで指揮したバイエルンの選手がずらりと並ぶドイツの陣容も、スペインと大きな差はない。バイエルン勢以外にも、チェルシーのカイ・ハベルツ、マンチェスター・シティのイルカイ・ギュンドアンら実力者を抱える。今季のブンデスリーガで話題を集めていた18歳の超新星、フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)が3月に膝に重傷を負ったのが気掛かりだ。

 コスタリカとニュージーランドはともに厳しい評価になる。コスタリカは攻撃の核として長くチームを引っ張ってきたブライアン・ルイスが36歳となり、現在はスーパーサブ的な立場に。歴代最多キャップのセルソ・ボルヘスは健在ながら、世代交代がうまくいっていない印象だ。かたやニュージーランドには、欧州のトップクラスのリーグでプレーした経験を持つ選手が不在。昨秋に代表デビューし、レギュラーをつかみかけている19歳のマシュー・ガーベットも、所属するイタリアのトリノではトップチームでの出場歴がない。

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