ドラフト直前、各球団の「穴」を探る! 当日に指名すべき補強ポイントは?

ベースボール・タイムズ

巨人:今年こそ世代トップのスター候補が欲しい

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の捕手
穴:22-25の捕手


 9月に急失速し、首位から大きく引き離された巨人。戦力不足も指摘されるが、年齢分布的なバランスは悪くなく、成長中の若手がそろう上に育成選手も多く控えている。問題は「量」ではなく「質」だろう。近年のドラフトでも、下位指名選手の働きが目立つ一方で、1位指名の面々が期待に応えられておらず、そもそもの指名に小粒感が否めない。これはくじ運の悪さ(昨年まで10連敗中)も大きく影響しているが、それに恐れることなく堂々と、今年こそは世代トップのスター候補を確保したいところだ。

 さらに、依然として亀井善行に頼っていた外野手にもテコ入れが必要。松原聖弥や山下航汰とは異なるスラッガータイプの若手外野手を指名し、秋広優人とともに将来の主軸として育てたい。

楽天:将来のエース候補&高校生中心の指名を!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の右投手
穴:19-21の左投手
穴:19-21の内野手
穴:22-25の内野手
穴:19-21の外野手


 石井一久GM兼任監督の下でFA、トレードを駆使して積極補強を続けた東北楽天。チームの戦力は着実にアップしたが、同時に高齢化という問題を生んでいることは確かだろう。チームの年齢分布も他球団に比べて偏っており、昨年のドラフトで早川隆久を獲得できたのは大きかったが、今後を考えると将来のエース候補になる高校生投手の指名が求められる。

 内野手、外野手を見ても、19歳から21歳の年齢層の選手が少なく、このゾーンをボリュームアップしたい。そして生え抜きスターを育てることが、今後の球団運営にとっても非常に重要になるはずだ。エース候補を1位で確保した後も、高校生を中心とした意欲的な指名を期待したい。

阪神:高校生右腕&大学生左腕に加え、外野手も

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の右投手
穴:22-25の左投手
穴:22-25の捕手
穴:19-21の外野手
穴:22-25の外野手


 昨年のドラフトで指名した佐藤輝明、伊藤将司、中野拓夢が1年目から主力として活躍し、若手の活躍もあって優勝争いを繰り広げている阪神。数年前まではチームの高齢化が大きな課題だったが、随分と改善されたと言える。だが、年齢分布を見ると、各ポジションで26歳から29歳の層に選手が集中しており、全体的なチームバランスが良いとは言えない。

 これを改善するためには、高校生右腕と大学生左腕が必要。その2箇所を最優先にした上で、FA権を獲得した梅野隆太郎の後継者が欲しい捕手、さらに若手の層が薄い外野手の指名も視野に入れておきたいところだ。高校生にこだわる必要はないが、特に将来性豊かな外野手は是非とも指名したい。

ロッテ:高校生左腕に加え、正捕手&二遊間候補を!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の左投手
穴:19-21の捕手
穴:19-21の内野手


 千葉ロッテは、井口資仁監督の下で推し進めてきたチーム改革が結果に反映されてきている。所属選手を見ても、23歳の種市篤暉、22歳の安田尚憲、21歳の藤原恭大、そして今年11月に20歳を迎える佐々木朗希と、数年後の黄金時代到来を予感させる面子がそろっている。だが、戦力バランスはまだ整い切れておらず、特に左腕は依然として補強ポイント。昨年のドラフトで指名した鈴木昭汰がおり、今季成長した小島和哉はいるが、チーム内の21歳以下の左投手は0人。今年のドラフトでも左腕を、できることならば高校生左腕を積極的に指名したい。

 さらに捕手、内野手も同じく高卒年代がいない。将来の正捕手候補、さらに将来の二遊間候補を、最低1人ずつは加えておきたい。

ヤクルト:投手力強化とともに、次代を担う野手も欲しい

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の左投手
穴:22-25の捕手
穴:19-21の内野手
穴:19-21の外野手


 9月に破竹の快進撃を見せ、優勝マジックを点灯させた東京ヤクルト。来年22歳になる村上宗隆が4番に君臨している中で、新たに高卒2年目の奥川恭伸が台頭するなど、明るい話題が増えた。しかし、継続性という意味では依然として不安な点は多く、年齢分布を見ると、伸びてきてはいるが全体的に若手の数が不足している。投手優先のドラフト戦略は継続しながらも、野手の指名も必要な状況となってきている。

 来季もしくは数年後に先発ローテに入れる即戦力投手と、高校生左腕を確保して投手力を強化しつつも、将来の主軸候補となる高校生野手の指名も叶えたいところ。2015年の優勝メンバーが次々と引退し、山田哲人も29歳とベテランの域に入りつつある。村上とともに新時代を担う野手をチームに迎え入れたい。

オリックス:左腕&捕手でバランスを整え、リリーフも確保したい

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21の左投手
穴:21-25の捕手


 今季のオリックスは、投手、野手共に若手が著しい成長を見せる中で優勝争いを繰り広げている。この“強さ”が一過性で終わらないためにも、さらなる戦力アップは必要だ。主力選手たちの年齢を見ると驚くほど若いが、若手のさらなる成長を促しながら、足りないポイントを補っておきたい。

 1つ目は「左腕」。宮城大弥の存在は大きいが、21歳以下の左腕は宮城のみ。彼に続く高卒左腕を指名して、チーム内の左右バランスを改善すべき。2つ目が「捕手」。現状、1軍レベルの捕手の人数はそろってはいるが、若手捕手が少なく、補強ポイントになる。近年のドラフトで内野手、外野手には楽しみな若手が多くそろっている。左腕と捕手をしっかりと指名しておきながら即戦力のリリーフ投手も確保できれば満点だ。

(文・三和直樹、グラフィックデザイン・山崎理美)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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