プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・オリックス編 イチロー獲得の91年を超える成功の年は

楊枝秀基
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28年間に及んだイチロー(左上)のプロ生活は、91年ドラフトでオリックスに4位指名された時に始まった。数々の伝説を築いたスーパースターを獲得したこの年は何位に? 【写真は共同】

 1988年11月に阪急からオリックスへ、そして2004年には近鉄と合併。その激動の球団史のなかで、最も成功したといえるのは何年のドラフトか。スポーツ紙の記者としてオリックスを担当し、フリーとして活動する現在もチームを追い続ける楊枝秀基氏には、近鉄の史上最高のドラフトも併せて選んでもらった。

5位 2015年のドラフト

吉田(中央)は押しも押されもしない日本屈指のスラッガー。同じ15年ドラフトで10位指名され、今季、打撃開眼で四番に定着した杉本(右)は青学大の2学年上の先輩だ 【写真は共同】

[指名選手一覧]
1位:吉田正尚(外野手/青山学院大)
2位:近藤大亮(投手/パナソニック)
3位:大城滉二(内野手/立教大)
4位:青山大紀(投手/トヨタ自動車)
5位:吉田凌(投手/東海大相模高)
6位:佐藤世那(投手/仙台育英高)
7位:鈴木昂平(内野手/三菱重工名古屋)
8位:角屋龍太(投手/ジェイプロジェクト)
9位:赤間謙(投手/鷺宮製作所)
10位:杉本裕太郎(外野手/JR西日本)
育成1位:塚田貴之(投手/白鷗大)
育成2位:赤松幸輔(捕手/香川オリーブガイナーズ)


 1位の吉田正尚は大学生の侍ジャパンで四番を務めた逸材だった。期待通りに成長してチームの中心となり、2020年には首位打者となった。今年は東京五輪に日本代表として出場。稲葉ジャパンの金メダル獲得に貢献した。

 この年次のドラフトでは10位でも注目すべき選手を獲得している。徳島商から青山学院大、JR西日本を経て、支配下登録選手指名全88人のうち87人目に指名を受けた杉本裕太郎だ。20年シーズン途中、中嶋聡二軍監督が一軍監督代行となるタイミングで一軍に昇格し、四番に抜てきされた今季、期待に応え大ブレイクした。「ラオウ」の異名で人気を博し、球宴にも出場して本塁打を記録。現在、チームが優勝争いを繰り広げるなかで、自身も本塁打王争いを繰り広げている。

 青山学院大時代に三、四番コンビだった吉田、杉本がオリックスでも主軸を任せられている。今季のペナントレースを制することになれば、打の中軸2人を獲得した15年ドラフトの価値は相当に高まるはずだ。
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著者プロフィール

1973年生まれ、神戸市出身。関西学院大から98年に『デイリースポーツ』入社。巨人、西武、ヤクルトなどを担当した後、2004年は合併消滅した近鉄、05〜10年は阪神、11年はオリックス番記者を務めた。13年からフリー。東京スポーツコラム「ワッショイ!!スポーツ見聞録」を不定期連載中。

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