プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・ロッテ編 1位は唯一無二の大打者を獲得した──

伊藤玄門
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バランスの良い補強を実現した13年のドラフトも当たり年。1位指名の石川(後列左から2人目)を筆頭に、井上(後列の左端)、二木(後列の右端)と、現在の主力を手に入れている 【写真は共同】

 創設時の毎日オリオンズから改称と本拠地移転を重ね、1992年から現在の千葉ロッテマリーンズに。その間、個性豊かな選手を数多く獲得し、近年は果敢な高卒逸材の1位指名も目を引くロッテだが、そのなかでも一番の当たり年は何年のドラフトか。『デイリースポーツ』の記者として、ロッテを含む複数球団の担当を歴任してきた伊藤玄門氏は、下位指名で好選手を輩出した年にも着目する。

5位 1987年のドラフト

87年に香川・尽誠学園高からドラフト1位でロッテに指名された伊良部。西武・清原和博との対決は「平成の名勝負」と謳われた 【写真は共同】

[指名選手一覧]
1位:伊良部秀輝(投手/尽誠学園高)
2位:里見祐輔(投手/静岡市立高)
3位:堀幸一(内野手/長崎海星高)
4位:小林茂生(投手/横芝敬愛高)
5位:山下徳人(内野手/東洋大)
6位:大村巌(投手/東海大四高)
[ドラフト外]
柴原浩(捕手/西日本短大付高)


 長嶋一茂(立教大→ヤクルト)の話題で持ちきりとなったこの年のドラフトで、ロッテが1位指名で獲得したのが伊良部秀輝だった。

 入団当初は未完成の豪腕だったが、徐々に頭角を現すと、1994年には自身初の2桁勝利となる15勝をマークして最多勝に輝き、一躍リーグを代表する投手に。最優秀防御率のタイトルも2度獲得(95、96年)するなど、絶大な存在感を示した。ヤンキースなどでのメジャーリーグ挑戦を経て、約6年ぶりに日本球界に復帰した03年には阪神で13勝を挙げてリーグ優勝に貢献。NPB通算72勝ながら、強烈なキャラクターで多くのファンを魅了した。

 同じ年の3位指名では、堀幸一という“当たり”も引いている。しぶとい打撃で通算1827安打を放ち、約20年の長きに渡ってチームを支えた“ミスターロッテ”もまた、多くのファンに愛された選手だった。
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著者プロフィール

1973年3月26日、東京都生まれ。2003年にデイリースポーツ入社。巨人、日本ハム、西武、阪神、ヤクルト、DeNA、ロッテ、NPB、侍ジャパンの担当記者を歴任する。12〜14年の原巨人のリーグ3連覇を取材。ちなみに記者生活で度肝を抜かれたのは、日本ハム・中田翔(現巨人)が1年目の春季キャンプで行ったフリー打撃での超特大の柵越えと、ロッテ・佐々木朗希が1年目の春季キャンプで投じたプロ初ブルペンでの剛速球。入社以来、プロ野球担当ひと筋。現在は巨人担当記者として取材を行っている。

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