川島永嗣に聞く、日本と世界の距離  GK目線でのユーロ2020の注目ポイントは?

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2010年から欧州でプレーする川島は今回のユーロをどのように見ているのか。3度のW杯出場を誇る日本の守護神が挙げた名前は…… 【提供:WOWOW】

 日本代表の守護神として2010年南アフリカ大会から3大会続けてワールドカップ(W杯)のゴールマウスに立ってきた。クラブレベルでも10年にベルギーのリールセに活躍の場を求めると、スタンダール・リエージュ(ベルギー)、ダンディー(スコットランド)、メス(フランス)、ストラスブール(フランス)と渡り歩き、川島永嗣はGKとして海外リーグで11年を過ごしてきた。

 38歳となったいまも日本を代表するGKであることに疑いはなく、5月28日のW杯アジア2次予選のミャンマー戦では約1年半ぶりに代表のピッチに返り咲き、この6月には所属のストラスブールと2年の契約延長も勝ち取った。海外で挑戦を続ける衰え知らずのGKはいま、日本と世界の距離についてどう考えているのだろうか。また、現在行われているユーロ2020での注目ポイントなどについても聞いた。

「昨季は、ある意味で奇跡のシーズンだった」

昨季はストラスブールでリーグ戦24試合に出場。在籍4年目の来季も正GKの座を守れるか、注目が集まる 【Gettyimages】

 ストラスブールで3年目となった2020-21シーズン、川島は第3GKとしてスタートしたものの、正GKの故障などもあって途中20試合連続でゴールマウスを守るなどリーグ24試合に出場した。過去2シーズン、リーグ戦で1試合しか出場できていなかったことを思えば、想定外に充実感を得られたシーズンだったのかもしれない。

――昨シーズンを振り返ると、どんな思いがありますか?

 ある意味で、奇跡のシーズンでした。その前の2シーズンはほとんど試合に出られない状態でしたし、自分自身は試合に出たい気持ちがありながら、シーズン前に監督と話をしたなかでもアクシデントがない限り状況は変わらないと言われていましたから。それが、シーズンが始まったら正GKがケガ(マッツ・セレスが左アキレス腱断裂)をして、第2GK(バングル・カマラ)が新型コロナウイルスに感染してしまい、自分が出ることになったわけです。僕としてはそれまでのシーズンと変わらないスタンスでやっていましたが、思いがけない事態もあって、昨季は結果的に多くの試合に出場できたということです。

――チームも15位で残留を決め、先ごろクラブから2年の契約延長も発表されました。

 自分としては昨季試合に出られたこともそうですが、ストラスブールという街が好きなので、残れたらいいなとは思っていました。クラブは欧州では珍しく目指す方向性がはっきりしていますし、サポーターも熱い。年齢のことはあまり考えてはいませんでしたが、このタイミングで2年の契約をもらえたことに信頼を感じますし、お互いの考えが一致したことはうれしいですね。

 海外で11年を過ごしてきた川島だが、常に順風満帆だったわけではない。16年から2シーズンプレーしたメスでも当初は第3GKからスタートし(16-17シーズンの出場は5試合)、翌シーズンには正GKとして29試合に出場したこともあった。

――過去にも試合に出られない時期はあったと思います。そんなときは、どのようにメンタルを維持してきたのですか?

 メスに行ったときも第3GKからでしたけど、ほかに選択肢はなかったですし、自分の挑戦を続けるにはそこでやり続けるしかなかったですから。もちろん、その状態を選んだのは自分ですし、うまくいかなければしょうがないというか……。自分としてはとにかく挑戦しないで後悔することだけは嫌でした。そういう意味でストラスブールでも試合に出られない時期は長かったですが、挑戦したい気持ちは常にあったのでモチベーションは保てていました。挑戦してうまくいかなければ、そのときに次のことを考えればいいだけで、目指すものがあるならば、やらないよりはトライして後悔した方がいいじゃないですか。

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