EURO出場24カ国戦力ランキング
記事
6月11日に開幕するサッカー欧州選手権(EURO2020)。新型コロナの影響で当初から1年遅れて開催される今大会の出場24カ国の戦力を5つの項目別(各項目20点満点)で採点。合計得点で戦力をランキング化しました。連覇を目指すポルトガルや、W杯王者フランス、世界1位ベルギーの順位は? 解説コメントと合わせてチェック!(監修:河治良幸)
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解説
攻撃力の基準として大きく2つある。1つはチーム全体としてどれだけ相手ゴール前にボールを運び、得点できる力を備えているか、もう1つは決定力、頼れるストライカーの存在だ。その2つを最高レベルに兼ね備えるのがベルギー。デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)を中心に多彩な攻撃を繰り広げて、最後はエースストライカーのルカク(インテル)が仕留める。ベンテケやバチュアイ(ともにクリスタル・パレス)などサブにも個性的な点取り屋が揃い、レアル・マドリーでは不調のエデン・アザールも代表で輝きを取り戻す可能性がある。
ベルギーに続くのがスペインとフランス。スペインは圧倒的なパスワークとセンターFWのモラタ(ユヴェントス)が主な得点源でありながら、ウイングのフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)など、どこからでも点が取れる。ただ、陣容がかなり若返った分、大舞台での真価は未知数なところがある。フランスはもともとエムバペ(パリ・サンジェルマン)とグリーズマン(バルセロナ)が君臨していたところにベンゼマ(レアル・マドリー)が代表復帰を果たし、噛み合えば爆発力はナンバーワンかもしれない。
そのほかケイン(トッテナム)が前線に君臨するイングランド、絶対的なエースはいないもののヴェルナーやハフェルツ(ともにチェルシー)を擁し、直前のテストマッチでラトビアから7得点をあげたドイツ、ブンデスリーガで41得点を叩き出したレヴァンドフスキ(バイエルン)とミリク(マルセイユ)が揃うポーランド、インシーシェ(ナポリ)、インモービレ(ラツィオ)、ベラルディ(サッスオーロ)の3トップが好調のイタリアなどが上位に来る。
アクション型の攻撃に厚みがあり、フランスのリーグアンで20得点のデパイ(リヨン)を筆頭に幅広いアタッカーを揃えるオランダなどが上位だ。前回王者のポルトガルはC・ロナウド(ユヴェントス)の出来が鍵を握るが、新鋭のジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリー)、鎌田大地とのホットラインでブンデスリーガ28得点を記録したアンドレ・シルバ(フランクフルト)が大会でどれだけ存在感を示せるかが見どころになる。
ディフェンスも組織としての堅実さと厳しい時に個人で跳ね返せるDFやGKの存在を基準に評価したが、総合的にイタリアがハイレベル。W杯予選では3試合無失点、さらにテストマッチのチェコ戦でも4-0の勝利を飾った。キエッリーニとボヌッチ(ともにユヴェントス)のセンターバック(CB)コンビは相変わらずの安定感で、彼らの前に構えるボランチのジョルジーニョ(チェルシー)も心強い。あとは若き守護神ドンナルンマ(ミラン)がこの大舞台で実力を発揮できるか、連戦で主力を欠く試合でどこまでチームとして安定できるかにかかっている。
フランスもヴァラン(レアル・マドリー)とキンペンベ(パリ・サンジェルマン)のCBコンビを軸にパヴァールとリュカ・エルナンデスというドイツ王者バイエルンの左右サイドバック(SB)を担う2人も安定感を増している。組織の安定感と経験値では若干イタリアより下がるもののポテンシャルは上かもしれない。ベルギーはアルデルヴァイレルド(トッテナム)、フェルマーレン(ヴィッセル神戸)、フェルトンゲン(ベンフィカ)にデナイヤー(リヨン)が加わり、守護神クルトワ(レアル・マドリー)が支える守備力は鉄壁だ。フンメルス(ドルトムント)が統率するドイツは3月のW杯予選で北マケドニアに1-2で敗れるなど、直前の試合を見ても、それら3カ国より少し落ちるが水準は高い。
選手層はプレミアリーグを主戦場とするイングランドは各ポジションにレギュラーとほぼ遜色ない控え選手がおり、交代カードにも事欠かない。過密日程や5枚交代は大きなアドバンテージになる。フランスはビッグクラブで主力を担う選手だけで23人が埋まるほどで、あとは準備期間でそれだけ共通理解を高められているか。オランダは誰が出てもスタンダードの高いサッカーができるのが強みだ。イタリアは主力のCB、スペインは中盤の要であるブスケッツ(バルセロナ)への依存度がそれぞれ高い。さらにブスケッツはコロナ陽性でまさかのグループリーグ出場に暗雲。いきなり代役探しが急務になってしまった。
監督力では代表での実績も経験もドイツのレーヴ監督が筆頭。ロシアW杯でフランスを優勝に導いたデシャン監督は「名選手は名監督にあらず」というジンクスを覆す1人で、キャプテンとして98年のフランスW杯、2000年のEURO優勝を支えた現役時代さながらに戦術眼と人身掌握でチームをまとめる。イタリアはマンチーニ監督がタレント集団を戦う組織として1つにしている。さらに組織を大事にしながらC・ロナウドをうまく組み込むなど、巧妙なマネジメントでポルトガルを前回優勝に導いたフェルナンド・サントス監督、個性的なタレントをうまくまとめるベルギーのマルティネス監督、2014年からスイスを率いるペトコヴィッチ監督などを高評価した。
チームの完成度は国の強さに限らず評価できる要素だが、現時点で最高点を付けられるチームは存在しない中で、同じ監督のもと地道にチームを作ってきているスイスは優勝候補の国も侮れない。ロシアW杯準優勝のクロアチアも基本的には継続路線で、モドリッチ(レアル・マドリー)を軸としたチームにブレカロ(ヴォルフスブルク)など若いタレントがどう融合するかが躍進の鍵を握る。
監督が不動のドイツも成熟度は高いが、若手の台頭で適度に入れ替わりはあるため、大舞台で様子を見る必要はあり、それはベテランと若手のミックス型であるイタリアやポルトガルにも言える。フランスはやはりベンゼマの組み込みが上手くいくかどうか。ただエムバペ、グリーズマン、ベンゼマに共通するのはエゴイスティックではないことで、大会前の時点では2010年の南アW杯で起きたような”お家騒動”の不安もない。
英雄パンデフ(ジェノア)が心身両面で引っ張る北マケドニアはチームワークが参加国でも筆頭で、オーストリアとの開幕戦に勝利できれば台風の目になる可能性も。イブラヒモビッチ(ミラン)の不参加が発表されたスウェーデンも逆に組織のまとまりという意味でかなり上位。同組のスペインも侮れないだろう。