連載:プロ野球・球種別最強投手は誰だ!?<フォークボール編>

谷繁元信が選ぶ「フォークの名手」9選 サインを出したくなかった投手とは?

前田恵
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98年、横浜を38年ぶり優勝に導いた黄金バッテリー。大魔神のフォーク、その秘密とは? 【写真は共同】

 横浜大洋ホエールズから中日ドラゴンズまで、27シーズンに渡ってマスクをかぶり続けた谷繁元信は、多くの名投手たちのフォークボールを体で受け止めてきた。谷繁氏によるとフォークボールの落ち方は投手によって千差万別。決して決め球だけではなく、カウント球としてもこの球種を有効活用してきたという。谷繁氏といえば、「ハマの大魔神」こと佐々木主浩とバッテリーを組んでいたことは野球ファンなら誰でも知るところ。佐々木主浩氏のフォークボールのすごさとは? フォークボールについてキャッチャー目線から語ってもらった。

大洋・横浜時代に受けた3人のフォーク投手

――谷繁さんが現役時代バッテリーを組んだ中で、「この人のフォークボールはすごい」というピッチャーは誰ですか?

 まず『フォーク』にも、いくつか種類があるんですよ。揺れて落ちてくるもの、右ピッチャーなら左バッターの外に少しシュートしながら落ちるもの、少し引っ掛け気味に、右バッターの外に逃げていくもの、そして今流行りの『スプリット』ですね。スピードがあって、ほんの少し落ちる。投げ手によって『フォーク』も4〜5種類存在します。

 それを前提に話をすると、僕が受けた中で最初に際立っていたのは、大洋の遠藤一彦さん。遠藤さんのフォークはある程度スピードがあり、一般的にみなさんが想像するフォークの軌道で、素直にスッと落ちてきました。その次が中山裕章(大洋ほか)さん。揺れながら落ちてくる軌道で、スピードはあまり出ないけれども、精度がありました。そして、佐々木主浩さん(横浜ほか)。遠藤さんの球に、さらに落差を加えたフォークでした。

――佐々木さんは、フォークを何種か投げ分けたそうですね。
 
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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