谷繁元信が語る「盗塁阻止と盗塁の達人」苦手だった“忍者系ランナー”とは?
通算3021試合出場の日本記録を持つ谷繁元信。横浜スタジアムでのナイター中継前に取材に応じてくれた 【撮影:白石永(スリーライト)】
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第一に「キャッチング」です。キャッチングが下手だとスローイングに移るとき、ジャッグルなどのミスが起こってしまいます。スローイングをスムーズに行うためにも、キャッチングはなるべく体の近くでした方がいい。腕を投手の方に向けて捕球すると、伸ばした腕を自分の体に引き寄せ、ボールを右手に持ち帰る動作が必要になるので、どうしてもロスが生じてしまうんです。
とはいえ、ミットは体に近すぎてもダメ。そうなると下半身の動きが遅れてしまい、腕だけで送球することになるので、ボールに対してうまく力が伝わらない。僕が現役時代に感じていたミットと体のちょうどいい距離は、肘は伸び切らず、90度くらいに曲がった状態です。そして下半身を使って、ボールの勢いを利用しながら送球していました。「上半身で受け、下半身で攻める」イメージです。
次にスローイングですが、ホームベース後方のキャッチャーエリアから、スローイングを開始して踏み出した左足がホームベースのちょっと手前くらいに着けば、コンパクトでスピーディー、かつ力強いスローイングになります。下半身の力がボールに伝わるよう、自分の歩幅を把握することがポイントです。
若い頃の僕はそこそこ肩に自信があったので、まるで肩の強さをアピールするかのように、見栄え重視のプレーをしていたところがありました。でもそれは勘違いで、捕球してからの動作を速く、正確にすることを意識するようになって、すべてがコンパクトになっていきました。僕と同時期に活躍していた古田敦也さん(ヤクルト)の映像を見て、技を盗んだこともありました。
谷繁が見た「名捕手・古田敦也」の凄さ
93年には年間盗塁阻止率.644の日本記録を樹立した古田。その強みとは? 【写真は共同】
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