

ドイツ・ブンデスリーガを8連覇中の常勝、バイエルン・ミュンヘン。そして1990年代のドイツ8部在籍時代から2000年代後半に最高峰の1部へと昇りつめたTSG1899ホッフェンハイム。それぞれの歩んだ歴史、地域、そしてこれまでの成績だけを見れば、この両クラブにはそれほど接点がないように思われる。
しかし、なぜか最近はさまざまなファクターからその関係性と因縁を取り沙汰されるようになり、この両クラブはドイツのサッカーシーンを良い意味でも悪い意味でももり立てている。そこで今回は、第19節でバイエルンとホッフェンハイムが今季2度目の対戦を果たすことから、最近の両者の間にもたらされているいくつかの出来事やニュースをお伝えしたい。
両チームの指揮官の出自

バイエルンのハンジ・フリック監督は、現役時代にバイエルンや1FCケルンなどでプレーした後に引退して指導者の道へ進んだ。その足掛かりは、ケガなどの影響もあってトップシーンから離れた後に所属した当時ドイツ4部に相当するオーバーリーガのヴィクトリア・バンメンタールというクラブで選手兼監督の任に就いたときに築かれている。
そして2000年7月、フリック監督は同じく当時オーバーリーガに属していたホッフェンハイムの監督に就任し、その初年度にリーガ優勝を成し遂げてレギオナルリーガ(当時の3部相当)への昇格を果たした。結局その後のフリック監督体制下ではブンデスリーガ2部への昇格はならなかったが、2005年までホッフェンハイムを指揮したフリック監督は、今日のホッフェンハイムの輝かしいクラブの歴史を築いた功労者でもある。
一方、2020-21シーズンの今季からホッフェンハイムの指揮官を務めるセバスティアン・ヘーネス監督は、昨季までバイエルンのリザーブチームであるFCバイエルン・ミュンヘンIIを指揮していた人物だった。そのヘーネス監督は、2019-20シーズンのブンデスリーガ3部でバイエルンIIを優勝に導き、その手腕を高く評価されて今季は自身初となるブンデスリーガ1部のチームを指揮することになった。ちなみにドイツではブンデスリーガのリザーブチームが2部に属することはできない規定があるため、バイエルンIIは今季も3部で戦い、ヘーネス監督だけが“昇格”する形となった。
またバイエルンのクラブサイドも今回のヘーネス監督のホッフェンハイム行きを好意的に受け止めていて、クラブ取締役のハサン・サリハミジッチは「われわれは『バイエルン・キャンパス』(ここではクラブアカデミー組織を指す)の成果を誇りに思う。われわれはここで、若い選手だけでなく、監督も育成する」と述べている。なおヘーネス監督は、元西ドイツ代表FWで、19年11月までバイエルンの会長を務めたクラブレジェンド、ウリ・ヘーネスの甥(おい)でもある。
ディートマー・ホップへの嫌悪感
新型コロナウイルスの世界的流行が起こる直前の20年2月29日。ブンデスリーガ第24節のホッフェンハイムvs.バイエルンでドイツサッカー界に深刻な問題をもたらす事件が起きた。
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