近年になく激化するブンデスの優勝争い キーワードは過密、そして備え持つ野心

島崎英純
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バイエルン一強は揺るがない?

今季も、今のところはバイエルン・ミュンヘンが首位を堅持している 【Getty Images】

 2020-21シーズンのドイツ・ブンデスリーガは第13節を消化し、ここで年内の日程を終えた。再開は年明け1月2日の第14節で、各チームは約2週間のオフに入る。

 これまでのシーズンでは34節中の17試合を終えてウインターブレークに入り、この時点で首位のチームにはドイツ語で“前半戦の王者”を意味する“ヘルプストマイスター”の称号が与えられた。しかし、今シーズンはコロナ禍の影響によって例年よりも約1カ月遅い9月18日に開幕したことで、シーズンを折り返えすことなく年をまたぐ。

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 ドイツのサッカーシーンでは国内の2大タイトル、そしてチャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)の国際大会を争う。イングランドのように国内だけで3つのタイトルがある国は毎年タイトなスケジュールを強いられるが、ブンデスリーガのチームはCLやELに出場したり、カップ戦のDFBポカールで上位に進出する以外は約1週間に1試合のペースでゲームを消化できた。しかし、今シーズンは開幕時期が遅れながらも例年通りに5月下旬にリーグを終了する日程が組まれているため、必然的に“イングリッシュウイーク”と称される1週間2試合の日程を消化しなければならない時期がある。したがって今季のブンデスリーガは少数精鋭では成績を維持できず、チームの総合力を問われる傾向が強まっている。

 現在の首位は目下前人未到のリーガ8連覇を達成しているバイエルン・ミュンヘンだが、彼らは最も厳しい負担を強いられている。バイエルンの昨季最終戦は今年8月24日、ポルトガル・リスボンで行われたパリ・サンジェルマン(フランス、PSG)とのCL決勝だった。このゲームを勝利してクラブ史上7年ぶり6度目、しかも大会史上初となる全勝優勝を飾ったバイエルンは、ここからわずか26日後に今季のブンデスリーガ開幕戦に臨んでシャルケを8-0で粉砕した。その後もバイエルンはハード日程が組まれる中でブンデスリーガを戦いながら、UEFAスーパーカップのセビージャ(スペイン)戦、ドイツ・スーパーカップのドルトムント戦を制し、連覇を目指すCLグループステージでは6戦して5勝1分けの成績で悠々と首位での決勝トーナメント進出を決めた。
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著者プロフィール

1970年生まれ。東京都出身。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当記者を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動。現在は浦和レッズ、日本代表を中心に取材活動を行っている。近著に『浦和再生』(講談社刊)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信。ほぼ毎日、浦和レッズ関連の情報やチーム分析、動画、選手コラムなどの原稿を更新中。

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