“初代月間MVP”に輝いた富山のマブンガ 好調の秘訣、ファンへのお願いも!? 

大島和人

“初代月間MVP”に輝いた、ジュリアン・マブンガ。開幕から好調をキープし、東地区で快進撃を続ける富山を支えた 【(C)B.LEAGUE】

 B.LEAGUEは2020-21シーズンから新しい試みとして、月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」を、ファン投票によって選出している。Bリーグがノミネートした3選手の中から最多得票数を得て「初代月間MVP」となったのがジュリアン・マブンガ(富山グラウジーズ)だ。

 彼はアフリカのジンバブエで生まれ、アメリカで育った30歳。“登録上”は203センチ・116キロのパワーフォワードだ。2015年の来日から滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズでプレーし、今季からは富山に加わった。妹、妻がいずれもWNBA選手という「バスケットボール一族」の一員でもある。

 彼を一言で説明するなら司令塔として試合を作りつつ、インサイドへのドライブ、3ポイントシュートでも魅せるオールラウンダー。SNS上での率直でユーモアあふれるコメント、選手同士だけでなく、ファンとのフレンドリーなやりとりもおなじみだ。

 10月の富山は浜口炎・新ヘッドコーチのもと、8勝2敗と好調なスタートを切った。マブンガは得点、アシスト、リバウンドと素晴らしい数字を残し、大きな貢献を見せた。今回のインタビューでは、そんなマブンガがチームと自身が好調な要因、自身のトレーニングと成長、日本バスケへの思いを熱く語っている。

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「4000得点のときは教えてくれなかった(苦笑)」

――10月の「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」の受賞、おめでとうございます。感想はいかがですか?

 自分自身のパフォーマンスだけでなく、チームのパフォーマンスが良かったから獲れたと思います。受賞できてよかったです。

――受賞はどう知りましたか?

 チームの人から聞きましたし、メディアの人も祝ってくれました。B.LEAGUE通算4000点(11月14日の川崎ブレイブサンダース戦で達成)のときは誰も教えてくれなかったんですが(苦笑)

――10月3日の開幕戦では、古巣の京都ハンナリーズからいきなりキャリアハイの46得点を取りました。何か特別な感情はありましたか?

 開幕戦ですし、古巣との対戦でもあったので確かに気合は入っていたと思います。もちろん自分自身スコアリング能力もあるけれど、あのときは外国籍選手が自分しかいなかった。だから、京都を倒すためにはアグレッシブにプレーしないといけないなと考えていました。特別な意味はないですけれど、在籍していたチームなので、必ず倒したいなとも感じていました。
――富山は10月を8勝2敗で終え、マブンガ選手もトリプルダブルを2度達成しています。好調の理由はどんなところでしたか?

 チーム内でお互いをうまく使えています。試合の状況を見て誰の調子がいいのか、どこに僕たちの強みがあるのかを見極められている。弱みも含めて、お互いを理解しながらプレーできているのがとてもいいですね。

 あとチームとして、今は速いテンポでバスケットボールをしようと意識しています。その効果も出て、ポゼッションが多くなっています。それが僕たちにとっていいプレーにつながっていますね。

――富山は個性的な、若くて有望な選手が多いチームです。マブンガ選手から「おすすめのチームメイト」を紹介してもらえますか?

 いい若手が3人います。ヨシ(松脇圭志)は本当にオフェンスもディフェンスもかなり力を持っていますね。ディフェンスは皆さんから既に評価されていますけれど、オフェンスもすごくいい。ボールハンドラーもできますし、シュートが上手で、伸びていく選手だと感じています。ユウタ(岡田侑大)は1オン1の強い選手。彼もこれから良くなっていくでしょう。サト(前田悟)はまずシュートがうまい選手ですけれど、ポストアップだったり、いろいろなスコアの形をもっている。彼らは全員、これからどんどん良くなっていくと思います。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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