群雄割拠の東京マラソン2020 「2時間5分49秒」を破る者は出るか?
東京マラソン2020では大迫(写真左)、設楽(同中央)、井上(同右)の「3強」がエントリー 【写真は共同】
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設楽は攻めのレースを見せるか
昨年9月のMGCでスタートから飛び出す設楽(写真右)。今回も攻めのレースが見られそうだ 【写真は共同】
ではレースはどう動くのか。ペースメーカーの設定は前日のテクニカルミーティングで正式に決められるが、早野忠昭レースディレクターは「2時間3分切りを目指す1キロ2分55〜56秒のグループと、派遣設定記録突破を目指す同2分58秒の2つのグループが作られる予定」と話している。今大会は海外招待選手も2時間2分48秒のベストを持つビルハヌ・レゲセ(エチオピア)を筆頭にベスト2時間3分台が2名、同じく4分台が5名とハイレベルであり、前者のペースはまさしく彼らのためのものだ。
しかし、日本人でも設楽がこのグループでレースを進める考えを早くから示している。MGCでもスタート直後から飛び出し、37キロ付近で後続に吸収されるまで逃げ続けた。積極性は設楽の持ち味。28日の記者会見では「自分はレースプランやタイムを決めて走るタイプではない。自然に走ればタイムもついてくると思うので、深く考えずに自然に走りたい」と語り、目標タイムも「2時間6分10秒」とけむに巻いたが、今回も攻めのレースが見られそうだ。
状態の良い村山、井上
日本人選手がどのペースメーカーを選択するか。ペースメーカーがうまく機能することが前提となるが、そこがレースのカギのひとつとなることは間違いない。
高い目標を掲げた井上。状態の良さがうかがえる 【写真は共同】
「ガチガチに狙うわけではありませんが、世界と戦う基準として頭に入れておくべきタイム」。状態がいいのだろう。記者会見では淡々とした口調だったが、その言葉は自信をうかがわせた。MGCでは完走者中最下位(27位)に終わったが、東京マラソンに向けての過程として挑んだ1月の全日本実業団対抗駅伝ではエースの集う最長区間4区(22.4キロ)で区間新記録を樹立。その後、約3週間、ニュージーランドで距離を踏み、仕上げてきた。「海外勢と勝負をして、優勝を狙いたい」と順位にもこだわりを見せる。
東京マラソンはゲンのいい大会。17年には日本人トップ。18年には積極的なレースを見せ2時間6分54秒(当時の日本歴代4位)のタイムを出しており、コースは知り尽くしている。常に「世界と戦うこと」ことを念頭に置いている井上だけに、海外勢との勝負の結果として日本人トップとタイムを狙うことになりそうだ。