連載:日本野球改革案〜団野村が伝えたいこと〜

野茂英雄メジャー移籍の渦中で感じた問題点 FA制度の構造的欠陥とは?

中島大輔
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日本独特の“踏み絵”のような仕組み

95年2月、ドジャース入団会見に臨んだ野茂。「任意引退」によるメジャー移籍は当時、批判の嵐が吹き荒れた 【Getty Images】

 フリーエージェント(FA)で新天地を求めた選手が、「悪者」にされる構図は今も昔も変わらない。

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 記憶の新しいところで言えば、2018年オフに埼玉西武から東北楽天にFA宣言して移籍した浅村栄斗だ。「東京スポーツ」電子版(2018年11月22日)によると、楽天は同年シーズン中、浅村と交際中の女性フリーアナウンサーを球団制作の動画メディアでインタビュアーに起用した。こうした行為などから西武ファンにはタンパリング(協定を破り不正に交渉すること)の可能性を感じられ、同年までチームのキャプテンを務めていた浅村を嫌う者が少なくない。

 選手からすれば、FA権は長年かけて取得したもので、「職業選択の自由」を行使できる権利だ。年俸増やキャリアアップにつなげることもできる。

 その裏で“疑惑”の目を向けられる選手が、毎年のように出る理由はFA制度の構造的欠陥にある。
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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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