連載:サッカー黄金世代「同窓会」

かたい肉、ケーキ、王様の家、クラブ…アフリカは驚きばかり 黄金世代「同窓会」

構成:飯尾篤史
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当時19、20歳の選手たちにとって、初めて訪れるアフリカは驚きの連続だった 【佐野美樹】

 1999年2月に行われたブルキナファソ遠征と4月のナイジェリア・ワールドユース。初めて訪れるアフリカは、当時19、20歳の若者たちにとって、まさにカルチャーショックだった。劣悪な環境、粗悪な食事に悩まされながら、異文化との邂逅(かいこう)を経て、彼らはたくましくなっていった。(出演:小野伸二、稲本潤一、永井雄一郎、中田浩二、南雄太、酒井友之、播戸竜二)

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誕生日に砂糖の塊みたいなケーキ

――次のテーマですが、大会の2カ月前に遠征したブルキナファソと、ワールドユースが行われたナイジェリアは、とても過酷な環境だったと思います。思い出す光景、エピソードについて、お願いします。

永井:ブルキナファソって、あの遠くまで行ったやつ? バスで4時間くらいかけて。

小野:すごい小さいバスで。

中田:ワガドゥグね、ワガドゥグ。(※ブルキナファソの首都。99年2月18日にU-22ワガドゥク選抜とテストマッチを行った)

小野:途中で「轢(ひ)いた」とか言ってなかった? ドーンって。

永井:ヤギ、轢いたとか。

播戸:豚じゃなかった?

:豚だったっけ?

永井:でも、蚊がすごかったっていうのは覚えてる、あのホテルが。

稲本:薬、飲んでたもん。

小野:トルちゃん(トルシエ監督)が(ブルキナファソに)連れて行ってくれたからね、経験としてね。

永井:あのとき、みんなふたり部屋だったじゃん。俺だけ余ってて、ひとり部屋だったの。ひとりで超怖くてさ、蚊もすごいし。

小野:何よりも水でしょ、鉄の味がする。

播戸:それに生野菜ね。そのまま置いてあって。

小野:あと、ステーキメインだったね、ご飯。

永井:全然覚えてない。

中田:かたい肉を毎回、食べてたし。

小野:フォークだって、向こうのフォーク、そんなにしっかりしてないから、切ろうと思って力入りすぎると、グイッて曲がらなかった?
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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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