連載:キズナ〜選手と大切な人との物語〜

目指すは2020年東京五輪での“金” 体操・萱和磨の夢は家族の目標

矢内由美子
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小食だった萱少年は体操で強くなるために食べた

2016年リオ五輪では悔しくも落選した萱和磨は、2020年東京五輪に向けて再起を図る 【佐野美樹】

 体操で2020年東京五輪に出場し、金メダルを狙う萱和磨は、身長163センチ、体重52キロという細身の体に、とてつもないパワーを秘めている。世界デビューのきっかけとなったあん馬はもちろん、力の必要なつり輪でも高得点を出し、かつては苦手としていた床運動でも世界選手権種目別決勝に残るまでになった。

 オールラウンダーとしての地位を確立しつつある萱の強みは、小学2年生からこれまでの約15年間の体操人生の中で、ケガをしたのが中学1年生のときの一度だけというところだ。そのケガにしても練習中にヒジを脱臼しただけという、丈夫な身体の持ち主だ。骨折や靱帯断裂の経験がないどころか、捻挫すらしたことがないという頑健さ。それを支えてきたのが、母親である恵子さんの手料理である。
 子どもの頃は小食で、チョコレートなどのお菓子やジュース、炭酸飲料を口にしたこともないという萱だったが、体操を始めてからは活発に動くようになったことに加えて、「たくさん食べないと体操が強くなれないよ」という恵子さんの教えもあり、成長するにつれて食べる量がどんどん増えていった。

 恵子さんが振り返る。
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著者プロフィール

北海道生まれ。北海道大卒業後にスポーツニッポン新聞社に入社し、五輪、サッカーなどを担当。06年に退社し、以後フリーランスとして活動。Jリーグ浦和レッズオフィシャルメディア『REDS TOMORROW』編集長を務める。近著に『ザック・ジャパンの流儀』(学研新書)

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