祐一ついに叶えた福永家の夢ダービーV 「洋一の息子として誇れる仕事ができた」
初騎乗から20年、19回目の挑戦
福永祐一騎乗のワグネリアンがダービー制覇! 【スポーツナビ】
ワグネリアンは今回の勝利でJRA通算6戦4勝、重賞は2017年GIII東京スポーツ杯2歳ステークス以来の2勝目。騎乗した福永は初騎乗から20年、通算19回目の挑戦で嬉しいダービー初勝利、同馬を管理する友道康夫調教師は2016年マカヒキに続くダービー2勝目となった。
福永は19回目の挑戦で初勝利、友道調教師(右)はマカヒキに続く2勝目となった 【スポーツナビ】
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「ダービーが一番特別です」
11万を超えるファンの声援に応える福永「ダービーは一番特別です」 【スポーツナビ】
「“ダービーは違う”って、勝ったジョッキーからはよく聞くんですが、本当にそうですね。違います。GIを勝った後は喜びの感情が最初に来るんですけど、今回は言葉では表せない気持ちが勝(まさ)っている。言いようのない高揚感を経験させてもらいました。うまく表現できないんですが、やっぱり“ダービーは特別なレース”だと、勝つことで分かった。ダービーが一番特別ですね」
これまで国内はもとより、米国、ドバイ、香港など世界各地でGIレースを勝ってきたジョッキーをしても「特別だ」と感じさせた日本ダービー勝利の美酒。もちろん、ただ口を開けて待っていたわけではない。何よりもまず、福永の“コレしかない!”という好騎乗があったればこその劇勝だった。
“最悪”の17番発走、福永が打った執念の先行策
1周目のスタンド前、福永とワグネリアン(左、桃帽)は積極的に先行していった 【スポーツナビ】
「色々な選択肢を考えていたんですが、17番になったことで一気に2択くらいに狭まってしまった。その乗り方ができるか、できないか。できなければそれまでと、かえって腹をくくることができましたし、ワグネリアンがよく応えてくれました。それにつきますね」
レース直前のゲート前で、ワグネリアンを担当している藤本助手からは「信じてます」と声を掛けられた。その言葉も福永の闘志をさらに燃やした。「よりいっそう、腹が決まりましたね。男として応えないわけにはいかない。彼のひと言が大きかった」。
そうして、好スタートを切った福永とワグネリアンは、1コーナーに行くまでの長いホームストレッチから仕掛けていき、4〜5番手の外を確保する。中団から後方で脚を溜めて末脚の爆発力にかけるそれまでのレースからはガラリと一変した戦法であり、これが8枠からダービーを勝つために「腹を決めた」福永が打った最善手だった。
「この馬で初めてというくらい、最初からポジションを取りにいきました。2コーナーに入るまでに前に壁を作れなかったので、馬は行きたがっていましたが、2コーナーを回るときにコズミックフォースの後ろにスッと入ることができて、そこで馬がリラックスしてくれた。これなら、と思いました」
「自分のデビュー戦より無我夢中だった」と振り返ったゴール前、ついにつかんだダービージョッキー! 【スポーツナビ】
「前の2頭をなかなか捕まえられなかったから、もうダメかな……とも思いましたけど、最後は気合いですね(笑)。もう何がなんだか分からなかった。自分のデビュー戦よりも無我夢中だったと思います。精も根も尽き果てました(笑)」