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祐一ついに叶えた福永家の夢ダービーV
「洋一の息子として誇れる仕事ができた」

初騎乗から20年、19回目の挑戦

福永祐一騎乗のワグネリアンがダービー制覇!
福永祐一騎乗のワグネリアンがダービー制覇!【スポーツナビ】

 2015年生まれの3歳馬6,995頭の頂点を決める第85回GI日本ダービーが27日、東京競馬場2400メートル芝を舞台に行われ、福永祐一騎乗の5番人気ワグネリアン(牡3=栗東・友道厩舎、父ディープインパクト)が優勝。道中4番手グループの外から直線を力強く伸び、見事ダービー馬の栄光を手にした。良馬場の勝ちタイムは2分23秒6。


 ワグネリアンは今回の勝利でJRA通算6戦4勝、重賞は2017年GIII東京スポーツ杯2歳ステークス以来の2勝目。騎乗した福永は初騎乗から20年、通算19回目の挑戦で嬉しいダービー初勝利、同馬を管理する友道康夫調教師は2016年マカヒキに続くダービー2勝目となった。

福永は19回目の挑戦で初勝利、友道調教師(右)はマカヒキに続く2勝目となった
福永は19回目の挑戦で初勝利、友道調教師(右)はマカヒキに続く2勝目となった【スポーツナビ】

 なお、4番人気だった戸崎圭太騎乗の皐月賞馬エポカドーロ(牡3=栗東・藤原英厩舎)は半馬身差の2着に敗れクラシック二冠制覇はならず。さらにクビ差の3着には石橋脩騎乗の16番人気コズミックフォース(牡3=美浦・国枝厩舎)が入り、1番人気に支持されていた川田将雅騎乗のダノンプレミアム(牡3=栗東・中内田厩舎)は6着に敗れた。

「ダービーが一番特別です」

11万を超えるファンの声援に応える福永「ダービーは一番特別です」
11万を超えるファンの声援に応える福永「ダービーは一番特別です」【スポーツナビ】

 初騎乗のキングヘイローから20年――通算19回目の挑戦にして、ついに福永はダービージョッキーとなった。


「“ダービーは違う”って、勝ったジョッキーからはよく聞くんですが、本当にそうですね。違います。GIを勝った後は喜びの感情が最初に来るんですけど、今回は言葉では表せない気持ちが勝(まさ)っている。言いようのない高揚感を経験させてもらいました。うまく表現できないんですが、やっぱり“ダービーは特別なレース”だと、勝つことで分かった。ダービーが一番特別ですね」


 これまで国内はもとより、米国、ドバイ、香港など世界各地でGIレースを勝ってきたジョッキーをしても「特別だ」と感じさせた日本ダービー勝利の美酒。もちろん、ただ口を開けて待っていたわけではない。何よりもまず、福永の“コレしかない!”という好騎乗があったればこその劇勝だった。

“最悪”の17番発走、福永が打った執念の先行策

1周目のスタンド前、福永とワグネリアン(左、桃帽)は積極的に先行していった
1周目のスタンド前、福永とワグネリアン(左、桃帽)は積極的に先行していった【スポーツナビ】

 木曜に決まったゲートは8枠17番。福永によれば、友道調教師が思わず「最悪や……」ともらしたのだという。それくらい不利な枠であり、過去10年で見れば8枠から勝ち馬は出ておらず、17年前のジャングルポケットまでさかのぼらなければならない。そんな状況の中、「もう腹をくくるしかなかった」と福永は振り返る。


「色々な選択肢を考えていたんですが、17番になったことで一気に2択くらいに狭まってしまった。その乗り方ができるか、できないか。できなければそれまでと、かえって腹をくくることができましたし、ワグネリアンがよく応えてくれました。それにつきますね」


 レース直前のゲート前で、ワグネリアンを担当している藤本助手からは「信じてます」と声を掛けられた。その言葉も福永の闘志をさらに燃やした。「よりいっそう、腹が決まりましたね。男として応えないわけにはいかない。彼のひと言が大きかった」。


 そうして、好スタートを切った福永とワグネリアンは、1コーナーに行くまでの長いホームストレッチから仕掛けていき、4〜5番手の外を確保する。中団から後方で脚を溜めて末脚の爆発力にかけるそれまでのレースからはガラリと一変した戦法であり、これが8枠からダービーを勝つために「腹を決めた」福永が打った最善手だった。


「この馬で初めてというくらい、最初からポジションを取りにいきました。2コーナーに入るまでに前に壁を作れなかったので、馬は行きたがっていましたが、2コーナーを回るときにコズミックフォースの後ろにスッと入ることができて、そこで馬がリラックスしてくれた。これなら、と思いました」

「自分のデビュー戦より無我夢中だった」と振り返ったゴール前、ついにつかんだダービージョッキー!
「自分のデビュー戦より無我夢中だった」と振り返ったゴール前、ついにつかんだダービージョッキー!【スポーツナビ】

 皐月賞馬エポカドーロが引っ張る前半1000メートル60秒8の平均ペースの中、福永ワグネリアンはじわり、じわりと進出。直線入り口では3番手までポジションを押し上げ、前が残る今の東京競馬場の傾向から見ても、展開としては絶好だ。「4コーナーでブラストワンピースがすごい手応えで来ていたので、絶対に隙は与えないようにと気をつけながら、あとは直線で追うだけでした」。しかし、ここからが遠い。簡単には勝たせてくれないのが、ダービーだ。


「前の2頭をなかなか捕まえられなかったから、もうダメかな……とも思いましたけど、最後は気合いですね(笑)。もう何がなんだか分からなかった。自分のデビュー戦よりも無我夢中だったと思います。精も根も尽き果てました(笑)」

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