レインボーライン春盾制覇も右脚故障……岩田「涙も出ない」3年ぶりGI勝利

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GI・10戦目のチャレンジで待望のビッグタイトル

岩田騎乗のレインボーラインが天皇賞・春を制覇、しかし直後に故障のアクシデント…… 【スポーツナビ】

 古馬最強ステイヤーを決める伝統の一戦、第157回GI天皇賞・春が29日、京都競馬場3200メートル芝で行われ、岩田康誠騎乗の2番人気レインボーライン(牡5=栗東・浅見厩舎、父ステイゴールド)が優勝。中団待機からインを鋭く追い込み、GI初制覇を達成した。良馬場の勝ちタイムは3分16秒2。

 レインボーラインは今回の勝利でJRA通算22戦5勝、重賞は2016年GIIIアーリントンカップ、18年GII阪神大賞典に続く3勝目。騎乗した岩田は08年アドマイヤジュピタ以来となる天皇賞・春2勝目。また、同馬を管理する浅見秀一調教師は1998年メジロブライト以来の同レース2勝目となった。

主役不在のままレース後の口取り式が行われた 【スポーツナビ】

 なお、クビ差の2着にはヒュー・ボウマン騎乗の1番人気シュヴァルグラン(牡6=栗東・友道厩舎)、さらに半馬身差の3着には三浦皇成騎乗の4番人気クリンチャー(牡4=栗東・宮本厩舎)が入った。

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診断の結果は「右前肢跛(ハ)行」

ターフビジョンには下馬した岩田と痛々しい姿のレインボーラインが映し出された 【スポーツナビ】

 まさに命がけの激走だったか。歓喜のゴールライン通過から一転、岩田が1、2コーナーの中間で下馬。メインスタンド前に戻ることができない天皇賞馬の無事を、岩田、そしてファンが祈った。

「1着でゴールした直後は(嬉しさで)頭が真っ白になりました。でも、すぐに歩様が乱れていると分かって下馬したんです。痛そうに歩くというか、つんのめる感じ。大きなケガではないと思うんですが……ちょっと歩かしてみたら歩様が少しマシになったので……。まだ分からないですけど、馬の状態が心配ですぐに厩舎に行きたいですね」

 勝利後インタビューの壇上でも心ここにあらず、といった表情の岩田。本来ならば15年にレッツゴードンキで桜花賞を制して以来、自身3年ぶりのGI勝利だ。16年には年間を通して重賞未勝利というスランプにも陥り、「もうGIのような大きなレースは勝てないんじゃないかとずっと思っていた」ほど、どん底を味わっていた。そこから見事にカムバックしての天皇賞・春勝利。嬉しくないはずがない。いや、涙が出るほど嬉しい。しかし、相棒の思わぬアクシデントに「心配すぎて涙も出ない」と、岩田の心境は複雑に乱れていた。

馬運車に乗り込むレインボーライン、大事に至らないことを祈るしかない 【スポーツナビ】

 レースから約2時間後。JRAから発表された診断の結果は「右前肢跛(ハ)行」。この跛行とは、歩様に異常をきたしている状態のことを言う。16年宝塚記念後のドゥラメンテのように、後日の詳細な診断の結果、競走能力に関わるような故障が判明するケースもあるので、まだ安心はできないものの、命を落とすような重篤な故障ではなかったことが不幸中の幸いだったか。

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