森岡、ファンタジスタから戦術的な選手へ シャルルロワ戦で1ゴール、1アシスト
2位の座を固め、次節は首位との直接対決
シャルルロワ戦で1ゴール、1アシストの活躍を見せた森岡(左) 【写真は共同】
シャルルロワ戦の前半、アンデルレヒトの選手はワンタッチ、ツータッチでボールをはたき、3タッチするような場面はほとんどなかった。森岡によれば、「シャルルロワが最終ラインを上げて、中盤をコンパクトな布陣にしたためにスペースがなかったので、ワンタッチ、ツータッチになった。それで(チームの)リズムが良かった」のだという。
つまり、ピッチの中で選手たちが、「少ないタッチで球離れをよくしよう」という意図を共有しながら試合のリズムを作っていったわけだ。前半10分すぎから後半半ばまで、アンデルレヒトの速いパスワークは、シャルルロワにボールの取りどころの的を絞らせなかった。
ベフェレン時代、「絶滅危惧種の10番」と謳(うた)われた森岡も、アンデルレヒトで大きくプレースタイルを変え、シャルルロワ戦でもほぼワンタッチ、ツータッチでボールを捌いていた。
スタンダール戦後、「3トップです」と言っていたように、森岡はいまや“10番”の選手というより“9.5番”の選手のように、どんどんペナルティーエリアの中へフリーランして味方からボールを引き出そうとしている。
森岡のキラーパスには色気がある
「ゴールを決めたピーターが良い動き出しをしてくれました。いいボールが行って良かったと思います」
後半は、ワンタッチパスが高速で3本つながって、最後は森岡がGKと1対1になるパスワークがあった。残念ながら、森岡はシュートを決め切れなかったが、「すごく良い形のショートカウンターだった」と崩しの形は完璧だった。このシュートの5分後、57分に森岡は、CKからセンターバック(CB)のレアンドル・デンドンカーがヘッドで合わせたボールを、左足つま先でコースを変えて2−0とするゴールを決めたのだ。
「高い選手が真ん中に何人かいて、そこで決まればいいですけれど、ボールが流れたときにしっかり狙っていた。そういうことを練習でずっとやっていたので、こういう形で今日、(結果として)出て良かったです」
ピンポイントで合わせた、セットプレーからのゴール。流れの中のプレーでも、アンデルレヒトのチャンスは、縦に走り抜けた選手にピンポイントのパスが出ることから生まれている。そんなアンデルレヒトの中で、森岡はファンタジスタから戦術的な選手へと姿を変えている。