ダノンプレミアム“1強”体制着々と 余裕の大外回し完勝で一冠早くも王手!

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4戦無敗のまま皐月賞へ

2歳王者ダノンプレミアムが弥生賞を完勝、皐月賞へ王手をかけた 【写真:中原義史】

 GI皐月賞へ向けたトライアルレース、第55回GII弥生賞が4日、中山競馬場2000メートル芝で行われ、川田将雅騎乗の1番人気ダノンプレミアム(牡3=栗東・中内田厩舎)が1着。文句なしの快勝で2歳王者の強さを見せつけるとともに、3歳三冠クラシックレースの第1弾・皐月賞(4月15日、中山2000メートル芝)へ王手をかけた。良馬場の勝ちタイムは2分1秒0。

 ダノンプレミアムは今回の勝利でJRA通算4戦4勝。重賞は昨年のGI朝日杯フューチュリティステークス、GIIIサウジアラビアロイヤルカップに続き3勝目。騎乗した川田は2014年トゥザワールド以来となる弥生賞2勝目、同馬を管理する中内田充正調教師は同レース初勝利となった。

4戦無敗のままクラシック第一冠へ 【写真:中原義史】

 なお、1馬身半差の2着には福永祐一騎乗の2番人気ワグネリアン(牡3=栗東・友道厩舎)、さらに半馬身差の3着には武豊騎乗の4番人気ジャンダルム(牡3=栗東・池江厩舎)が入線。この上位3着馬までに皐月賞への優先出走権が与えられる。

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距離損を承知の上で、あえて大外へ

大外を回す余裕のコース取りで他馬を寄せ付けなかった 【写真:中原義史】

 2歳王者を含む無敗のディープインパクト産駒3頭に、GIホープフルS2着馬も顔をそろえたこの一戦。お楽しみは後に取って置きたい派としては、本番を1カ月後に控えたトライアルでこの4頭がぶつかってしまうのは余りにもったいない……と思っていたわけだけど、終わってみれば単勝1.8倍に支持されたダノンプレミアムの“圧勝”だった。

「無事に初戦をクリアしてくれました」

 主戦の川田はいつも通りの冷静な口調で第一声を語った。レースはホープフルS4着馬サンリヴァルが果敢に引っ張る流れの中、ダノンプレミアムはガッチリと2番手を追走。2コーナーを抜けるころには縦長の展開となっていたが、前半1000メートルの通過は61秒5。隊列の見た目ほどには速くない。そうして迎えた3〜4コーナー。ここで川田が選んだコース取りに驚いたファンも少なくないのではないか。

 前をさえぎる馬は最内を行くサンリヴァルただ1頭にも関わらず、ダノンプレミアムは外へ、外へと進路を取る。後方では無敗ディープ産駒の1頭、オブセッションが逸走気味に外へと膨らんでいったが、川田はあえてダノンプレミアムを外へと誘導していた。それはなぜか?

「3コーナーから4コーナーにかけて馬場があまり良くなかったので、脚元のことも考えて馬場のいいところを選んでいこうと思ったんです。いい雰囲気で回ることができました」

 距離損を承知の上で、ダノンプレミアムのことを第一に考えての進路取り。もちろん、それでも勝つという自信と、パートナーへの信頼があってこそのことだろうし、事実、ノーステッキでダノンプレミアムは完勝した。ただ、ただ“強い”。このひと言である。

残る課題は「テンションの高さ」

残る課題は折り合いのみ 【写真:中原義史】

「4つのコーナーと、距離もクリアしてくれましたし、これで皐月賞はリラックスして迎えられるのではないでしょうか」と川田。

 この一戦でもはや皐月賞の情勢は決まってしまった――それくらいインパクトのある勝利だったが、一方で、陣営に油断はない。むしろ、課題をしっかり洗い出し、さらに完ぺきな状態で本番を迎える心積もりだ。川田が表情を引き締めながら語った。

「ある程度、間隔を取りながらレースを使っていますが、今日もダノンプレミアムの走りたい気持ちが強く出る瞬間がありました。気持ちが前向きすぎるところがあるので、そのあたりが抜けてくれればと思いますね」

 中内田調教師が挙げる課題も同じく「テンションの高さ」。ただ、今のところその点については川田が上手に御しており、久々を1回使ったことで馬もだいぶ落ち着くのではないだろうか。また、唯一のウィークポイントとも受け取れる課題を、新進気鋭・中内田厩舎がそのままにしておくとは考えられない。この1カ月できっちりと対策を取ってくるはずだ。

 まずは一冠に王手――ダノンプレミアム1強時代は、もうすぐそこまで来ていると思わせた弥生賞。きょう敗れたライバルに逆転の目はあるのだろうか?

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