デムーロ弟が絶賛タイムフライヤー鮮烈V 18年春二冠は間違いなく面白くなる!

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新設2歳GIの初代チャンピオンに

C・デムーロ騎乗の1番人気タイムフライヤーが末脚一気にホープフルSを快勝! 【写真:中原義史】

 2017年最後のJRA・ GIレースとなる第34回ホープフルステークスが28日、中山競馬場2000メートル芝で開催され、クリスチャン・デムーロ騎乗の1番人気タイムフライヤー(牡2=栗東・松田国厩舎、父ハーツクライ)が優勝。後方から直線大外を一気の伸びで差し切り、新設の2歳GI初代チャンピオンに輝いた。良馬場の勝ちタイムは2分1秒4。

 タイムフライヤーは今回の勝利でJRA通算5戦3勝、重賞は初勝利。騎乗したC・デムーロは同レース初勝利となり、同馬を管理する松田国英調教師は前身のラジオNIKKEI杯2歳ステークス時代に制した06年フサイチホウオー以来、同レース2勝目となった。

松田国英厩舎は4年ぶりのGI勝利となった 【写真:中原義史】

 なお、1馬身1/4差の2着には武豊騎乗の4番人気ジャンダルム(牡2=栗東・池江厩舎)、さらにクビ差の3着には中谷雄太騎乗の8番人気ステイフーリッシュ(牡2=栗東・矢作厩舎)が入った。

「来年がさらに楽しみ」

 暮れの阪神名物2歳重賞ラジオNIKKEI杯2歳Sから舞台を中山、名称をホープフルSに変更し4年。格付けがGIに昇格し、開催日程も有馬記念後の12月28日(しかも平日)という初めてづくしの中、来年の春競馬が楽しみになる新星が飛び出した。

「来年も楽しみ」とクリスチャンはタイムフライヤーの素質に太鼓判 【写真:中原義史】

「距離も問題ないし、能力も高い。それにまだまだ幼い馬だから来年がさらに楽しみですね」

 今や欧州の若手トップジョッキーとして世界にその名をはせているクリスチャン・デムーロがお墨付きを与えた馬こそ、GIホープフルSの初代チャンピオンとなったタイムフライヤーだ。最終的に1番人気に支持された同馬だが、単勝オッズ4.2倍が示すようにこのレースは混戦の下馬評。確たる中心馬不在で始まったレースも、ディープインパクト産駒の1戦1勝馬トラインが抑え切れない手応えのまま先行し、前半1000メートルの通過は59秒6。2歳GIであることを考えれば明らかなハイペースだったし、どこか波乱を予感させる前半戦だった。

 ただ、そんな激流の中でクリスチャンとタイムフライヤーは後方2番手に置かれても、焦らずじっくり構え、チャンスをうかがっていた。

「当初の予定では前で競馬をしようと思っていたんですが、ゲートで少し出遅れてしまったので、後ろから脚をタメていく形に切り替えました。また、ペースも思った以上に速かったので慌てずに行こうと思ったんです」

ユタカさんについて行けば

 これまでの4戦は、どちらかと言えば中団より前の好位から競馬をしていた同馬だが、「自在性があってすごく乗りやすい馬ですからね」というクリスチャンの言葉通り、好位抜け出しにこだわらずとも、後ろに控えればそれだけ脚をタメられるタイプなのだろう。「直線に向くまですごく手応えが良かった」と、いつでも末脚を爆発させられる態勢が整っていた。それだけに、短い直線の中山コースでどれだけ不利を受けないコースを通れるかが、最後の肝だったのだが、クリスチャンはビクトリーロードともいうべき道筋を見つけていたのだ。

武豊ジャンダルム(左から2頭目、桃帽)を目標に追いかけ、最後の直線は外から一気に突き抜けた 【写真:中原義史】

「かなり馬群が密集していたので、スペースが空くかどうかでした。でも、ユタカさんが前にいたので、その後ろをついて行けばスペースがなくなることはないと思って、スペースが空くのを待っていたんです」

 3〜4コーナーでは武豊ジャンダルムが進んだ道をなぞるように追いかけると、最後の直線に差し掛かる入り口ではその外からかぶせるように一気の捲り差し。「最後はタイムフライヤーがすごい瞬発力で伸びてくれましたね。ユタカさんの馬が盛り返してきたときは少し怖かったですけど(笑)」と、激しく抵抗するジャンダルムを力でねじ伏せるように突き放し、文句なしの強さで初代王者へのゴール板を駆け抜けた。

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