デムーロ弟が絶賛タイムフライヤー鮮烈V 18年春二冠は間違いなく面白くなる!

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C・デムーロ「もちろん、皐月賞も乗りたい!」

「皐月賞も乗りたい」とクリスチャン 【写真:中原義史】

 ホープフルSは1980年代から有馬記念と同日に行われる中山2000メートル芝の2歳オープン特別として存在していたため、ちょっと混乱してしまうのだが、定義上、現在のホープフルSは前述したように暮れの阪神で行われていたラジオNIKKEI杯2歳Sが変更となったものであるという。僕のような昔ながらのファンからすれば、ラジオNIKKEI杯2歳Sといえば何頭ものクラシックホースを輩出してきた2歳重賞No.1の出世レースであることに異論はないと思うが、その歴史を汲むとはいえ、開催場が中山になってどうなるんだろう?と思っていたら、昨年のホープフルSの勝ち馬レイデオロはご存知の通りダービー馬となった。もとより、オープン特別のホープフルSからもエアシャカールやウイニングチケットといったクラシックホースが生まれ、トーセンジョーダン、ベルシャザールなど古馬となってGIを勝つ馬も出ている。

 なので、何が言いたいかと言うと、現在のホープフルSの成り立ちや定義は少しややこしいのだけど、暮れの中山2000メートル芝の2歳戦が出世レースであることに変わりはない、ということだ。タイムフライヤーの将来性について、クリスチャンも来年が楽しみになるようなコメントを残してくれている。

「皐月賞と同じ条件で勝つことができたし、もちろんポテンシャルは高い。この後は休養に入ると思いますが、帰ってきたら馬はもっと成長していると思います。来年のクラシックは楽しめると思いますよ。もちろん、可能なら皐月賞でも乗りたいです」

 父は成長力に定評のあるハーツクライで、母の父がブライアンズタイムと来れば、クリスチャンが「脚をタメていけば2400でも大丈夫」と太鼓判を押すように距離の心配もない。皐月賞どころからダービー、さらに秋の菊花賞まで楽しめる逸材だろう。

18年クラシックは間違いなく面白い!

群雄割拠が予想される18年春の牡馬クラシック二冠、タイムフライヤーは主役となるか 【写真:中原義史】

 2週前の阪神マイルで行われた朝日杯フューチュリティステークスはダノンプレミアムが恐るべき強さを見せつけたが、こちらはタイムフライヤーが鮮烈な勝ちっぷりを見せてくれた。そして、この2頭以外にも、京都2歳Sでタイムフライヤーに土をつけたグレイルがいて、東京スポーツ杯2歳Sで衝撃の脚を披露したワグネリアンがいる。さらに、1勝馬の中にもヘンリーバローズやダノンマジェスティ、レイエンダといった、先に挙げた重賞馬を超える可能性を秘めた怪物候補が潜んでいるのかもしれないと思うと、まだ年が明けてもいないのに、春よまだかと今から待ち遠しい。2018年春の牡馬クラシックは間違いなく面白くなるはずだ。

 ちなみに、2013年ジャパンカップダート(ベルシャザール)以来、4年ぶりのJRA・GI勝利となった松田国英調教師だが、残念ながらこの日は中山に来ておらず、久しぶりの“マツクニ節”を聞くことはできなかった。昨年の2歳GIを契機に今年のクラシック戦線で東の名門・藤沢和雄厩舎が復活したことを考えれば、2018年は現役唯一のダービー2勝を挙げる西の名門・松田国厩舎の大逆襲があるのかも……そんなことを思った2017年最後のJRA競馬取材だった。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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