神懸り武豊、大雨不良で驚愕イン突き! キタサン“ワープ”で天皇賞春・秋連覇

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オペラオー以来、史上2頭目の天皇賞3勝目

武豊が神懸り的な騎乗を見せ、キタサンブラックとともに天皇賞・秋制覇! 【写真:中原義史】

 JRA秋の中距離最強馬決定戦、第156回GI天皇賞・秋が29日、東京競馬場2000メートル芝を舞台に行われ、武豊騎乗の1番人気キタサンブラック(牡5=栗東・清水久詞厩舎、父ブラックタイド)が優勝。スタートで出遅れたものの、インを突いて一気に抜け出し史上5頭目となる同一年の天皇賞春、秋連覇を達成した。不良馬場の勝ちタイムは2分8秒3。

 キタサンブラックは今回の勝利でJRA通算18戦11勝。重賞は9勝目、JRA・GI勝利数は歴代2位タイとなる6勝目。また、天皇賞3勝はテイエムオペラオー以来、史上2頭目の快挙。騎乗した武豊は08年ウオッカ以来となる天皇賞・秋6勝目、春秋通算では14勝目、同馬を管理する清水久調教師は同レース初勝利となった。

同一年の天皇賞春・秋連覇は史上5頭目、天皇賞3勝は史上2頭目の快挙 【写真:中原義史】

 なお、クビ差の2着にはミルコ・デムーロ騎乗の2番人気サトノクラウン(牡5=美浦・堀厩舎)、さらに2馬身半差の3着には岩田康誠騎乗の13番人気レインボーライン(牡4=栗東・浅見厩舎)が入った。

サブちゃん最敬礼「ユタカさん、すごい」

北島三郎オーナー(左)も武豊の“神騎乗”に最敬礼 【写真:中原義史】

 大雨も不良馬場も関係ない。そんなキタサンブラックの強さが際立つレースではあったのだが、それ以上に驚かされたのは天才・武豊の騎乗ぶりだ。2017年、雨の天皇賞・秋は武豊に尽きる――そう思ったのは何も僕だけではないだろうし、10年後の今頃も「あの年の天皇賞・秋は何と言っても武豊だ」と語り継がれているのではないか。

 決して大げさではない。それくらい、マジックを超越した神懸かり的な騎乗だったと思うし、キタサンブラックの“オヤジ”である北島三郎オーナーも「ユタカさんのすごい騎乗を見させていただきました。やはりプロ中のプロ。今日は雨の中でブラックももちろん頑張ってくれたんだけど、ユタカさんがよく1着に持ってきてくれました」と、最敬礼で武豊の腕を称えていたのだ。

まさかの出遅れ、しかし武豊は……

デートでまさかの出遅れ……しかし、武豊とキタサンブラック(右から2頭目、青帽)は冷静にインから挽回する作戦を組み立てた 【写真:中原義史】

 土曜日から雨は降り続き、日曜の午前中からすでに芝のコンディションは「不良」。それでも止む気配どころか、雨脚は強くなる一方。こうなると波乱の匂いしかしなくなるのだけど、それに拍車をかけたのはキタサンブラックのゲート出遅れだった。

「あっ……!」。キタサンブラックと最も間近で接してきた清水久調教師ですら驚きの声が漏れたという、まさかのアクシデント。北島オーナーは「私だって歌を歌っているときでもタイミングが合わないときがあるんだから(笑)」と、レース後の共同会見では豪快に笑い飛ばしていたのだが、レース中は大雨で視界が悪かったせいもあり、「一瞬、どこにいったのか分からなくなった」のだという。

 そんな緊急事態の中、ひとり冷静だったのだが、鞍上の武豊だ。

「扉が開く前に突進してしまって、その分の出遅れだったんですけど、実は以前からゲートに関してはあやしいところがあったので、“ああ、今日はやってしまったか”と。ただ、必ず前にという馬ではないので、あそこから対処していこうと思っていましたし、慌てることはなかったですね」

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