ディープ超えた春盾、武豊「本当に強い」 異次元キタサンブラックにサトノ陣営白旗

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レコードタイムで史上4頭目の連覇

武豊騎乗のキタサンブラックが天皇賞・春を制覇、史上4頭目の連覇を達成! 【スポーツナビ】

 JRA春の最強馬決定戦、第155回GI天皇賞・春が30日、京都競馬場3200メートル芝コースを舞台に争われ、武豊騎乗の1番人気キタサンブラック(牡5=栗東・清水久厩舎、父ブラックタイド)が優勝。2番手追走から直線入り口で早々と先頭に立つと、後続に影を踏ませない完封劇で史上4頭目の春の盾連覇を達成した。良馬場の勝ちタイム3分12秒5は、2006年にディープインパクトがマークした3分13秒4を0秒9更新するレコードタイム。

 キタサンブラックは今回の勝利でJRA通算16戦10勝、重賞は8勝目、GIは15年菊花賞、16年天皇賞・春、同年ジャパンカップ、17年大阪杯に続く5勝目。騎乗した武豊は天皇賞・春8勝目で、JRA同一GIレース8勝は史上初の快挙。また、同馬を管理する清水久詞調教師は昨年に続き天皇賞・春2勝目となった。

ディープインパクトのタイムを破るレコードV、武豊は天皇賞・春8勝目となった 【スポーツナビ】

 なお、1馬身1/4差の2着には福永祐一騎乗の4番人気シュヴァルグラン(牡5=栗東・友道厩舎)。キタサンブラックとの一騎打ちが期待されていたクリストフ・ルメール騎乗のサトノダイヤモンド(牡4=栗東・池江厩舎)は、2着からクビ差遅れの3着に敗れた。

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前半1000m58秒3! 驚愕の超ハイペース戦

 伝統の淀2マイル決戦。いきなりで恐縮ですが、個人的な思いを述べると、僕はこのレースが好きでたまらない。近年不遇な扱いを受けている長距離戦ではあるけれど、3分間の中で展開される各馬と各ジョッキーの駆け引きや、それに伴うジリジリとした緊張感、そして、スピードとスタミナを出し切る最後の脚比べが、胸をことさら熱くさせてくれる。

 と言って、全ての淀3200mのレースが面白いと言うわけではなく、中にはもちろん長距離戦ならではの凡レースもあるのだが、今年の春の盾は間違いなく、僕がナマで見てきたレースの中でも“とんでもない”名レースだった。

前半はヤマカツライデンが超ハイペースで逃げる中、それでもキタサンブラックは2番手から追走した 【スポーツナビ】

 何が“とんでもない”のかと言うと、それは一にも二にも道中のハイペース。逃げ宣言をしていたヤマカツライデンが踏んだ前半1000mの通過は、なんと58秒3。マイルが1分34秒5で、2000mが1分59秒7だ。いくら馬場が速いとはいえ、これは3200mを走りきるペースではない。

 そんな猛ラップの中、武豊とキタサンブラックはスッと2番手を確保。10馬身以上離れた位置だったから、ヤマカツライデンほどの超ハイペースではないが、それでもかなりタイトなペースに自ら飛び込んだことになる。こんな普通じゃないペースを追いかけて大丈夫なのか? 武豊が言う。

「展開はある程度予測していた形でした。ただ、昨年よりキタサンブラックは強くなっていると思ったので、去年よりもう少し速いペースで行ける自信がありましたし、去年よりも速いペースで走らせたいと思っていました」

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