“田口監督”に聞く新日本の気になること 東京03豊本のプロレスあれこれ(特別編)

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お笑い芸人の東京03豊本明長さん(左)と新日本プロレスの田口隆祐選手がスペシャル対談! 【スポーツナビ】

 昨年11月から始まった東京03豊本明長さんの連載コラム「東京03豊本のプロレスあれこれ」が無事に1周年を迎えました。今回は特別企画として、新日本プロレスの田口隆祐選手とスペシャル対談。2人でプロレスのあれこれをしゃべって頂きました。

「タグチジャパン」誕生は“勘違い”から!

田口選手と豊本さんが会えなかったのは、ツタンカーメン(左)の呪いなのか……!? 【写真:SHUHEI YOKOTA】

豊本 僕は番組とかイベントでレスラーの方と一緒になることが多いんですけど、田口さんとはまだ1回も一緒になったことがないんですよね。

田口 あ、そうですね。ツイッターでちょっと絡んだぐらいですかね。

豊本 ということで今回は、公私混同じゃないですけど、是非お話してみたいなと(笑)。もしかしたら田口という選手はこの世にいないかもと思ったり、それが“ツタンカーメンの呪い”かと思ったりしていたので、呼ばせていただきました。

田口 ありがとうございます(笑)。

――本日は豊本さんの連載1周年ということで、2017年を振り返りたいと思います。まず田口選手、2017年はいかがでしたか?

田口 僕はもう終わっているんですよね。今年のシリーズ。

――確かに最終シリーズはワールドタッグリーグなので、ジュニアの選手はあまり出番がないですね。そんな中、充実感というのは?

田口 「瓢箪(ひょうたん)から駒」ではないですが、何もないかなと思ったら「タグチジャパン」という「駒」が出てきましたので、それに尽きますね。

――ネーミングについては、やはりサッカー日本代表を意識されたのでしょうか?

田口 「タグチジャパン」は……、きっかけは、新しい商品の宣伝文句に「タグチジャパン」という文言が入っただけでして……。それを棚橋(弘至)さんが勘違いして、6人タッグのチーム名が「タグチジャパン」に決まったんだと勘違いツイートを飛ばしたところから始まりました。なので、きっかけは“勘違い”です。

豊本 話し合ったわけではないんですか?

田口 まったく関係ないです。少し話し合ったことはありましたが、棚橋さんからいくつか案は出たのですが、なんか違うなーと。どんなチーム名だったかは完全に忘れちゃいましたが……。「これはダメだな」という案でした(笑)。格好良くしたいんだと思うのですが、意味が分からないというか。その時は、「いいんじゃないですか」と答えましたけど。

豊本 内心ダメだと思っているのにその返事って!(笑)

田口 悶々(もんもん)としながら聞いていたんですけど、そんな時に「タグチジャパン」というのが出てきて、そっちに決まったんだと勘違いされました。それに乗っかった形ですね。

「エル・サムライの遺伝子」を受け継ぐ男

勘違いから始まった「タグチジャパン」。その勢いの源は、“便乗”! 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――いまやCHAOS、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン、バレット・クラブに並ぶユニットですが、そんな始まりだったのですね。

田口 長いこと本隊が目立たなくなっていましたが、復活の兆し、光を当てられたのかなと思います。それに棚橋さんや中西(学)がやや落ちてきたところに復活の手助けをして、それにうまく便乗して……

豊本 便乗って(笑)。

田口 僕は特に何もしていないんです。

豊本 何もしていないわけではないですよね? 監督として指示は出しているわけですし。

田口 まあまあ。

――その田口選手から出されるサインにメンバーが従っているわけですが、あれはなんとなく出しているだけ?

田口 はい、そうですね。なんとなく感じ取って、なんとなく動いている。みんななんとなくです。

豊本 フワッフワじゃないですか!(笑)

田口 お客さんもなんとなく、という感じです。

――そんな中でもNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得したり、IWGPジュニアタッグ王座も戴冠しましたよね。

田口 そうですね。うまく、新日本に上がりたい外国人選手を利用し、お互いの利害が一致しまして。

豊本 さっきから「利用」とか、「乗っかる」とか(笑)。そんな感じなんですか?

田口 ジュース・ロビンソン選手もタグチジャパンを利用して上がっていきましたし、リコシェ選手に頑張ってもらうことで、なんとなく僕も頑張っているように見られて、お互い良い作用が生まれました。

――それでも田口選手はかつて「アポロ55」としてプリンス・デヴィット選手(現フィン・ベイラー)と名タッグを組むなど、ジュニアの最前線で戦っているイメージです。

田口 僕は常にサポート役というか。トップで目立つタイプではないんですが、目立つ人の横で好き勝手やっていると。「アポロ55」もデヴィットがすごくて、動き回ってもらって僕はサポートをやっていました。

豊本 それで一緒にやっている感があるんですね。せこいなー(笑)。

田口 実は、そんなに動いてないんですよ。

豊本 そうですよね! そうなんです。これはご本人が言っているから言いますけど、昔っからずっとそうですよね。田口さんって。

田口 はい、初めからですね。でも(エル・)サムライさんと組んでいた時は違いました。あの時だけは頑張っていました。

豊本 そうそう! ですから、エル・サムライの遺伝子を持っている男なんですよね!

田口 受け継いでいますね。「サムライジム」でやっていましたので。

豊本 ただポイント、ポイントできれいなドロップキックだったり、技をきっちり決めるから、週プロ(「週刊プロレス」)では、いいシーンだけを使われているんですよね。

田口 勝手に跳ぶイメージも付けられてますからね。

豊本 あまり跳ばないですよね。そこもサムライさんと同じですね。

田口 サムライさんもそうです。

豊本 トペだけちゃんと跳んで、あとはたばこ吸って、漫画を読んでいる、的な(笑)。

田口 (笑)。ポイントを押さえているってことですね。

NEVER無差別級6人タッグの立ち位置は?

ベルトが増える新日本プロレス。田口選手の意見は? そしてNEVER無差別級6人タッグのベルトの価値は? 【スポーツナビ】

――さて、新日本プロレスのレスラーとしては、やはり1.4東京ドームのカードも気になるところかと思いますが、ドームに向けては?

田口 まだ僕のカードは決まっていませんが、ジュニアはIWGPジュニアの4WAY戦とジュニアタッグの王座戦は決まってしまいました。ただ、まだNEVER6人タッグは残っていますね。

――新日本の6人タッグのベルトは伝統がないジャンルですが、やはりベルトを持つ意味はあると?

田口 6人タッグ……。別に、意味ないですかね。

豊本 (大爆笑)。必要ないですか!

田口 正直、必要ないですよね。今年の1.5後楽園で挑戦した時も、魅力を感じたというよりも急に組まれたカードでして……。
 新日本で6人タッグに興味を持っている選手はいないんじゃないですか? やっぱりシングル志向が強いので。ですから王者もコロコロ変わったし、今のところ最多防衛記録が3回。ただ、いざベルトを取ったら、せっかくベルトがあるんだから盛り上げないととなりますし。それで「タグチジャパン」と「ロス・インゴ」の対抗戦ができたり。でもやっぱりシングルのベルトを狙っている人が多いから、これを盛り上げようとは思わないですね。

豊本 まあ単純に歴史も浅いですからね。

田口 でもそれを盛り上げられるのが「タグチジャパン」かなと。

――新日本も現在はいろいろなユニットがしのぎを削っていますよね。

田口 チームはいっぱいありますね。ただベルトを取りたいという気持ちはないと思います。

豊本 ユニットとしてそういう欲がないんですか? もしくはベルトに魅力がない?

田口 ベルトに魅力がないんですかね。今、ベルトがいっぱいあるじゃないですか? シングルもたくさんあったり。

豊本 田口さんもベルトが多いことには賛成ではないんですね?

田口 そうですね。僕はやっぱりIWGPとタッグだけでいいかなと。

――ジュニアは現状、シングルとタッグだけです。

田口 ジュニアが増えるとまた……(苦笑)。ジュニアは現状のままでいいです。

豊本 確かに、ジュニアタッグのベルトができた時にも、「タッグが必要なの?」って思いましたからね。でも今では定着していますし。

――田口選手はそのジュニアタッグのベルトで、プロレス大賞のベストバウトも取りました。そういう意味でも、田口選手は新日本ジュニアの歴史に名を刻んでいる選手だと思います。

田口 ありがとうございます。ただ、本人の自覚はゼロですが。

豊本 (笑)。

田口 責任がありますよね。

豊本 責任を見て見ぬふりができるんでしょうね(笑)。

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スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

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