金(カネ?)色の風・ヴァンドール 「競馬巴投げ!第151回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

8月最終週に札幌競馬→帯広ばんえいナイター→門別ナイター

[写真1]ナリタハリケーン 【写真:乗峯栄一】

 ここ10年ほど、取材要請もイベント招待の話も来ず、「夏は蟄居(ちっきょ)」「投票はパソコンでチビチビ」と決めていたが、先月は中京競馬場の開催委員長から「一度会いたい」という(開催委員長がわがコラム、読んでくれていたのだ)僥倖のような招待があった。

 また5月のダービーのあとは、いつものごとく府中駅近くで大勢で“反省会”と称する、大声で騎手や馬をなじる会をやったが、その飲み会に浦河のBTC(軽種馬育成調教センター)に勤める若いJRA職員(実際に馬に乗って調教している)が参加してくれ、「一度、浦河のうちの施設も見に来てください」などと言うものだから、酒の勢いで「行こう、行こう」などと言ってしまう。

 だいたいにおいて、こういう酒の席での「行こう、行こう」はその後、さっぱり立ち消えになるものだが、地底深く静かに進行していたようで、先月になって、突然幹事が「8月最終週に決行する」などと宣言した。

 札幌競馬→帯広ばんえいナイター→門別ナイターが主たるコースだが、その間にBTCなどの調教牧場や生産牧場の見学も入れるという。どんなハード・スケジュールなんだというツアー予定になっている。うまくいくものだろうか? いまから心配なところも多い。

橋口弘次郎調教師から勧められた「駿河牧場」

[写真2]ヤマカツエース 【写真:乗峯栄一】

 しかし牧場取材となると、ぼくの場合、ずいぶん間が空いている。昔、競馬雑誌が景気好調な頃は何回か、それも北海道数泊泊まり込みという取材をやったものだが、このところ、そういう要請はほとんど来ない。

 最後に行ったのは「優駿」からの要請で、ダンツフレーム・ワンダーパヒュームの「信岡牧場(浦河)」を訪ねたときだろうか。もう15年ぐらい前の話だ。

 信岡牧場は「家族経営」と聞いていたが、広大な敷地、広い邸宅にまず驚く。「これが家族経営なら、うちの家なんかアリンコ経営か?」などと呟く。牧場主の人も丁寧に色々話してくれて感激した。

 しかしさらに驚いたのは、そのあと「せっかく浦河来たのなら寄ってみたい」と「優駿」編集者に頼んで回ってもらった「駿河牧場」だった。

 そのころ橋口弘次郎厩舎のテンシノキセキが重賞を勝ち、橋口調教師から「駿河牧場の社長は面白いから、北海道行くことがあったら、ぜひ行ってみるといいよ」と言われていた。

1/3ページ

著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント