ついに豪脚炸裂!アラジン一気差し安田V ハマれば強い個性派マイル王が誕生

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サトノアラジン初GI制覇、春のマイル王に

サトノアラジンが安田記念V! 春のマイル王に 【写真:中原義史】

 JRA春のマイル王決定戦、第67回GI安田記念が4日、東京競馬場1600メートル芝で行われ、川田将雅騎乗の7番人気サトノアラジン(牡6=栗東・池江厩舎、父ディープインパクト)が優勝。後方追走から直線外を鋭く追い込み、初GI制覇を成し遂げた。良馬場の勝ちタイムは1分31秒5。

 サトノアラジンは今回の勝利で通算25戦8勝(うち海外2戦0勝)。重賞は16年GII京王杯スプリングカップ、同年GIIスワンステークスに続き3勝目。騎乗した川田は15年モーリス以来の安田記念2勝目、同馬を管理する池江泰寿調教師は同レース初勝利となった。

2歳から期待されていた素質馬がついにGIビッグタイトルを奪取 【写真:中原義史】

 連覇を狙った田辺裕信騎乗の8番人気ロゴタイプ(牡7=美浦・田中剛厩舎)は、逃げて粘ったもののゴール寸前で交わされクビ差の2着惜敗。さらにクビ差の3着にはミルコ・デムーロ騎乗の3番人気レッドファルクス(牡6=美浦・尾関厩舎)が突っ込んだ。なお、1番人気に支持されていたクリストフ・ルメール騎乗のイスラボニータ(牡6=美浦・栗田厩舎)は直線の伸びを欠いて8着敗戦。騎乗したルメールも前人未到の4週連続JRA・GI優勝はならなかった。

「今回は良馬場で外枠、運が向いたなと」

 ついに、ようやく、そしてやっとの思いで届いたGIのビッグタイトル。普段は冷静に受け答えをする川田も、今回ばかりは声が弾んでいた。

「本当に、やっと勝つことができました。僕自身としては昨年春の京王杯から乗せていただいて、今回が4度目のGIレースになるんですが、今回勝つことができてホッとしています」

「やっと勝つことができた」と、コンビを組んで1年が経つ川田も万感の思い 【写真:中原義史】

 2歳のころから期待されていた馬――そう川田も話すように、クラシックをこのアラジンでと期待され、西の名門・池江厩舎から2013年にデビューしたサトノ軍団イチオシの逸材。菊花賞に駒を進めることはできたものの(6着)、今ひとつサトノアラジンは能力を出し切れていない……池江調教師はそんなもどかしさを抱いていたという。

「クラシックでも結果が出なくて、4歳春からは中距離を試してみたりもしたんですが、この馬にとってどの距離がいいのか、ベストの舞台はどこなのかと試行錯誤して、やっと導き出されたのがこのマイル路線でした」

 ただ、それでもすぐに結果が出たわけではない。いや、16年春の京王杯SC、秋のスワンSと、GI前哨戦のGII戦は鮮やかに勝つことはできたのだが、肝心の大一番では常に一歩足りない結果で終わっていた。GIを勝つには力が足りないのか――。加えて、今年初戦の連覇を狙った京王杯SCは見せ場なく9着大敗。6歳を迎えて地力自体も落ちてしまったのか――。

 そうではない、と池江調教師は言い切った。能力は足りる、ただ、運が足りなかっただけ、と。

「この馬でGIを勝てなかったら調教師失格と思っていました。今年の京王杯も馬の状態は良かったんですが、道悪、スローペース、内枠と三重苦で運がなかったですね。能力が落ちたわけではなかったので、あとは馬の力と川田騎手を信じて送り出すだけでした。馬場が良くて外枠が当たっときは良い結果が出ている。今回は良馬場で競馬ができそうでしたし外枠が当たったので、運が向いたなと。十分チャンスはあると思っていました」

 手綱を託された川田も思いは同じだった。

「馬はいつも通り良い雰囲気でレースを迎えることができました。馬場も良いコンディションでしたし、枠も良い。やっとこの馬にとって気持ち良い競馬ができそうだと思っていました」

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