牝馬戦線に新星アドマイヤリード現る 独壇場ルメール600勝からとどめ1日9連対

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アドマイヤリードが春のマイル女王に

ルメール騎乗の4歳馬アドマイヤリード(右)がヴィクトリアマイルを制覇 【スポーツナビ】

 JRA春のマイル女王決定戦、第12回GIヴィクトリアマイルが14日、東京競馬場1600メートル芝で争われ、クリストフ・ルメール騎乗の6番人気アドマイヤリード(牝4=栗東・須貝厩舎、父ステイゴールド)が優勝。中団イン追走から最後の直線は狭い馬群を割り、一気に頂点へと突き抜けた。やや重馬場の勝ちタイムは1分33秒9。

 アドマイヤリードは今回の勝利でJRA通算14戦5勝、重賞は初勝利。騎乗したルメール、同馬を管理する須貝尚介調教師ともにヴィクトリアマイル初制覇となった。

アドマイヤリードは重賞初制覇がGIビッグタイトルとなった 【スポーツナビ】

 なお、1馬身1/4差の2着には蛯名正義騎乗の11番人気デンコウアンジュ(牝4=栗東・荒川厩舎)、さらにクビ差の3着には幸英明騎乗の7番人気ジュールポレール(牝4=栗東・西園厩舎)が入線。単勝1.9倍の1番人気に支持されていた浜中俊騎乗のミッキークイーン(牝5=栗東・池江厩舎)は直線伸びず7着に敗れた。

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「まさに理想どおりのレースをしてくれた」

 内か、外か、先頭が二転三転した最後の直線の攻防。最後の最後にグイッと体ひとつ突き抜けたのは、赤い帽子のアドマイヤリードだった。忍者のように、突如として姿を現したかのようにも見えたゴール前。それもそのはず、アドマイヤリードは道中は中団の最内で身を潜め、直線はそのまま荒れた内ラチ沿いを通るのではなく、あえてゴチャついた馬群の中へと身を投じた。一歩間違えれば前方が壁でふさがれ、脚を余して負けてしまうかもしれないリスキーな作戦。しかし、「自信があった」。ルメールは迷わずそう答えた。

「今日は馬場コンディションが難しかったけど、前走(阪神牝馬S)も同じような馬場だったから、アドマイヤリードなら大丈夫だと思っていました。道中もミッキークイーンやルージュバックとか、人気馬を見る形で行けましたし、4コーナーは目の前にいたミルコのクイーンズリングが道を作ってくれた。前が狭くなるようなところもあったけど、パスしていけるような手応えがあったので、自信を持ってそこへ突っ込んでいきました」

狭い馬群を割ってゴール前一気にアドマイヤリード(右から3頭目、赤帽子)が突き抜けた 【スポーツナビ】

 レース前に須貝調教師と立てたプランは、末脚を生かすためにいかにリラックスしてレースを運ぶか――。まして、前日の大雨の影響も残る馬場コンディションだったために、「馬場が悪いときは引っ掛かってしまう馬では難しい。だから、今日は道中のリラックスが求められるレースでした」とルメールは振り返っている。

 アドマイヤリードの能力を発揮させるための最初の絶対条件、それがこの道中の運びだったわけだが、さすがは世界を股にかけた名手である。須貝調教師が「まさに理想どおりのレースをしてくれた」と手放しで絶賛するエスコートを、ルメールは見せてくれたのだ。

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