強い!ソウルスターリング女王の座奪還 ルメール万感、母娘で日仏オークスの快挙

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ルメール、藤沢調教師ともにオークス初制覇

女王返り咲き! ルメール騎乗の1番人気ソウルスターリングがオークス制覇 【写真:中原義史】

 JRA春の3歳牝馬チャンピオンを決める第78回GIオークスが21日、東京競馬場2400メートル芝で行われ、クリストフ・ルメール騎乗の1番人気ソウルスターリング(牝3=美浦・藤沢和厩舎、父フランケル)が優勝。好位2番手から直線入り口で早くも先頭に立つと、そのまま後続を完封する快勝で、3歳樫の女王の座に就いた。良馬場の勝ちタイムは2分24秒1。

 ソウルスターリングは今回の勝利でJRA通算6戦5勝。重賞は2106年GI阪神ジュベナイルフィリーズ、17年GIIIチューリップ賞に続き3勝目。騎乗したルメール、同馬を管理する藤沢和雄調教師ともにオークス初勝利となった。

ルメール、藤沢和調教師ともにオークスは初勝利 【写真:中原義史】

 なお、1馬身3/4差の2着には和田竜二騎乗の6番人気モズカッチャン(牝3=栗東・鮫島厩舎)、さらに2馬身半差の3着にはミルコ・デムーロ騎乗の2番人気アドマイヤミヤビ(牝3=栗東・友道厩舎)が入線。牝馬クラシック二冠を狙った池添謙一騎乗の桜花賞馬レーヌミノル(牝3=栗東・本田厩舎)は、直線伸びず13着に敗れた。

「今日はスペシャルな1日になりました」

 2歳女王はやはり強かった。馬上でルメールが派手なガッツポーズを作り、何度も喜びを爆発させた。それは桜花賞で3着に敗れた悔しさを晴らしたうれしさでもあるし、何よりスタセリタの娘で日本のビッグレース、しかも同じオークスを勝てたことがうれしかった。

「今日は本当にスペシャルな1日になりました。僕はスタセリタでフランスのオークスを勝ちましたが、その子供のソウルスターリングで日本のオークスを勝てるなんて本当に素晴らしいです!」

「スペシャルな1日になった」とルメール、喜びを何度も爆発させた 【写真:中原義史】

 体つきやトビの大きさ、そして毛色……ソウルスターリングとスタセリタは「本当にそっくり」と笑顔を見せたルメール。似ているところは姿形だけじゃなく、オークスの勝ち方もまるで同じだったと、そう振り返った。

「フランスオークスは道中2番手から直線でうまく抜け出して勝つことができた。今日のオークスと全く同じレース展開だったんです」

直線ど真ん中、横綱相撲で文字通りの完勝

好位2番手から早め先頭、堂々の横綱相撲を見せた 【写真:中原義史】

 1枠2番ゲートからポンと好スタートを切ったルメールとソウルスターリング。あまりのスタートの良さにハナを切る勢いだったが、積極的に仕掛けてきたフローレスマジックを先に行かせて、自身はインの2番手をガッチリとキープ。

「いい枠順だったので、ポジションもいいところを取りたいと思っていました。彼女はスタートがとても速いので楽にいいポジションを取ることができましたし、すぐにリラックスしてくれました」

 前半1000mの通過は1分1秒7。平均ペースの中、引っかかるそぶりを微塵も見せない走りは、距離に一抹の不安を抱いていたルメールを心底安心させたに違いない。だからこそ、後続をひきつけることなく直線に向いてすぐに先頭に立つ横綱相撲。よほど馬の能力を信頼していなければできない競馬だ。

まさに完勝! ライバル17頭をまるで問題にしなかった 【写真:中原義史】

「今回は桜花賞とは違って、直線に入った瞬間に追い出しました。インに閉じ込められたくなかったですし、スペースが空いていたのでうまく抜け出すことができました。何より直線をスムーズに走らせたくて、早めに追い出しました。まだ少し手前を替えていたし、バランスも完ぺきではなかったけど、今日は追い出してからの動きも良かったです。長い脚を使ってくれて、すごく強かったですね」

 馬場のど真ん中をただ1頭、堂々と掛ける姿はまさに女王の風格。力強く、そして優雅なひとり旅の態勢に入る中、インからフローラSを勝った新興勢力モズカッチャンが挑みにかかるが、一騎打ちにはならない。ソウルスターリングが再び加速すると、これを難なく突き放してみせた。文字通りの完勝だ。

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