大阪杯Vに見た武豊キタサン王者の風格 感激サブちゃん「引退やめます!」

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GI昇格の大阪杯、初代王者に

武豊キタサンブラックがGIに昇格した大阪杯の初代王者に 【スポーツナビ】

 今年からGIレースに昇格した第61回大阪杯が2日、阪神競馬場2000メートル芝で行われ、武豊騎乗の1番人気キタサンブラック(牡5=栗東・清水久厩舎、父ブラックタイド)が優勝。好位3番手から直線早めに抜け出すと、後続を楽々と突き放す快勝でGI大阪杯の初代チャンピオンの座に就いた。良馬場の勝ちタイムは1分58秒9。

 キタサンブラックは今回の勝利でJRA通算15戦9勝。GIは2015年GI菊花賞、16年GI天皇賞・春、同GIジャパンカップに続く4勝目、重賞は通算7勝目。騎乗した武豊は大阪杯7勝目、同馬を管理する清水久詞調教師は同レース初勝利となった。

これでキタサンブラックはGI4勝目 【スポーツナビ】

 なお、3/4馬身差の2着には川田将雅騎乗の7番人気ステファノス(牡6=栗東・藤原英厩舎)、さらに半馬身差の3着には池添謙一騎乗の4番人気ヤマカツエース(牡5=栗東・池添兼厩舎)が入線。2番人気に支持されていたクリストフ・ルメール騎乗の昨年のダービー馬マカヒキ(牡4=栗東・友道厩舎)は3着ヤマカツエースから1馬身半差の4着に敗れた。

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武豊「さらにパワーアップした」

 GIに生まれ変わって初めての大阪杯。その頂点に立つのはやはり千両役者がよく似合う。快晴の青空と緑鮮やかなターフに彩られた大舞台、そのど真ん中を駆け抜けたのは武豊と昨年の年度代表馬キタサンブラックだった。

「馬の状態が良かったので早め先頭のレースをしたかったんですが、その通りのレースができました。何しろファンの多い馬ですから、負けちゃいけないという気持ちで乗りました。さらにパワーアップしたなと思います」

早め先頭から後続を楽々と突き放した 【スポーツナビ】

 調教も含めてキタサンブラックに騎乗するのは、これが有馬記念以来となる武豊。相棒がさらにたくましく、そして力強くなって戻ってきたことはレース前から感じ取っていたという。

「パドックでまたがったときに、さらに大きくなったなぁと感じました。改めてカッコいい馬だなとも感じましたし、返し馬でキャンターに下ろしたときに物すごくいい感触でした。陣営からはいい状態だと聞いていましたが、返し馬でその通りだと改めて思いました」

年度代表馬の初戦、その意味合いの大きさ

 レースそのものも“完ぺきな競馬”のひと言に尽きる内容。好スタートから逃げ宣言をしていたマルターズアポジーにハナを譲り、自身は離れた3番手から追走。マルターズアポジーが作る前半1000メートル59秒6の平均ペースの中、武豊キタサンブラックは折り合い良くリズミカルにラップを刻んでいた。

「実際にレースはどうなるかは分からないものですから、色々と想定しながらだったんですけど、ある程度考えていた通りのレースになりましたね。特に困ったところはなかったですし、落ち着いて走ってくれたので、それが良かったですね。向こう正面の走りがすごく良かったです」

「差される雰囲気はなかった」と武豊、これぞ王者の風格だ 【スポーツナビ】

 あとは慌てないように、と自身とキタサンブラックに言い聞かせながら迎えた直線は、まさに独壇場。競馬の世界において“王者の風格”とは、この走りのことを言うのだろう。「後ろから差されるような雰囲気はなかった」(武豊)。そして、いつも以上に力を込めたガッツポーズの拳の中には、うれしさだけではなく、大きな責任感を果たした安堵感があったことを明かしている。

「ガッツポーズは自然と出てしまいましたね。僕にとっては新しいGIの第1回目ということよりも、キタサンブラックの今年初戦ということの方が意味合いを強く感じていました。これだけの馬ですし、まして年度代表馬。ファンもたくさんいますから責任を感じていました。なので、勝ててホッとした部分が大きいですね」

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