よくぞ間に合った、ジュエラー 「競馬巴投げ!第128回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

オリンピックで頭をひねったことが二つ

【写真1】桜花賞馬ジュエラー、よくぞ戻ってきた! 【写真:乗峯栄一】

 当コーナーの編集担当をやってくれているMさんはSpotsnaviの取材記者でもあって、8月のリオ・オリンピックでは現地に入って精力的に活動していた。そのこともあって、当コーナーの先月は休みをもらったが、でもテレビ中継では、日本選手応援以外に、試合後の選手囲み取材の輪の中にMさんがいないかと探す楽しみもあって、いや、何やかんやで、オリンピックは結構見た。

 感動的なところは、みなさんよくご存じなので、ここでは、誰も言わないが、個人的に頭をひねったことを二つほど言いたい。

なぜ水球はバスローブを着て登場するんだろう?

 テレビ画面の撮影で恐縮だが、水球のプールへの登場の仕方には首を傾げた。

 水球というのは終始立ち泳ぎしないといけないし、審判に見えない水面下で引っ張ったり、蹴ったりがあって大変な競技らしい。しかし登場の仕方は変だ。これはどう見てもホテルの風呂に置いてあるバスローブではないか? どうしてこんなものを着て出てくるんだろう? 競泳の選手のように、国旗やスポンサーのロゴの入ったスポーツウエア(ジャージ?)を着て出てくる方がよっぽどスポーツマンらしいと思うのだが。

【写真2】オーストラリアの水球チーム、なぜバスローブで登場するんだろう? 【写真:乗峯栄一】

【写真3】こちらは日本水球チーム、なんとなくぎこちない? 【写真:乗峯栄一】

(写真2)はオーストラリア選手で(写真3)は日本選手である。

 オーストラリア選手はごく普通のリラックスした感じだが、日本選手は何となくぎこちない。“バスローブ文化”が日本にはまだ普及してないのだ。

 だいたい、あれ、ホテルに行ったとき、素っ裸で着ていいものなのか、下着をつけた上で着るものなのか、それすら日本人にはよく分からない。客が来たときなんか、バスローブのまま出て行っていいものなのか、「ちょっと待ってください」と着替えて応対するものかも分からない。

 日本水球チームが惜しいところで予選全敗となったのには、きっとこの“バスローブ”にも原因がある。次の東京オリンピックでは、ぜひバスローブをやめて浴衣(ゆかた)にしてもらいたい。いまでこそ、夏祭りや花火大会などに浴衣を着ていく人が増えたが、平安時代あたりでは、浴衣は、あれを着たまま湯船に入るために作られたものだ。濡れているのが普通だ。

「水の競技はすべて浴衣を着て登場すること。日本でやるオリンピックでは日本文化に馴染んでもらう」という通達を出せば、リオで日本水球選手がバスローブに戸惑ったように、外国人選手は浴衣に戸惑うはずだ。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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