もっと注目クラレント 「競馬巴投げ!第124回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

スマートオーディン担当の高橋一宝助手

[写真1]上昇気流にある藤原英厩舎のフィエロ、厩舎の勢いに乗り逆転を狙う 【写真:乗峯栄一】

 ダービーは久しぶりの東上だったが、けっこう色んな人に会い、わずかの時間だが色んなことがあった気がする。

 まず松田国厩舎でスマートオーディンを担当する高橋一宝(かずたか)助手のご両親と会った。ぼくが松田厩舎によく出入りして、厩舎や所属馬の写真をアップすることから、お母さんとfacebook友達になったが、ご両親は函館在住なので、なかなかお会いできずにいた。

 ダービーでお互い東京競馬場に行くから会いましょうということになったが、あの13万人の東京競馬場で初対面の人に会うというのは至難の業だと知る。ご両親は元気にも炎天下の4コーナーの芝生の上にシートを敷いて座っているということだが、その“シート観戦者”が既に1万人はいる。メールや電話でお互い「え? どこですか?」「は? よく分からないんですが」と言い合って、なかなか会えない。

[写真2]東京で強いクラレント、最内枠なら小牧太の手綱も心強い 【写真:乗峯栄一】

 決め手はお父さんがかぶっていた青とオレンジの“松国キャップ”だった。栗東トレセンでも、青とオレンジの松国厩舎服の一団が通りかかると、馬の群れの中でもすぐに発見してしまうが、東京競馬場の大群衆の中でもそれは同じだった。こんな晴れ舞台に息子が出てくるというのは(うちにも実は一宝助手と同じぐらいの息子がいるのだが)やっぱりいいものなのだろうと思う。

 オーディンは一瞬突き抜けるかという場面もあったが6着に終わる。しかし既に重賞3勝馬、じっくり休養して、古馬として大成して欲しい。

 優勝したマカヒキの友道調教師は元松国厩舎調教助手で、スタッフのまとめ役をしていた人だ。またマカヒキ担当の大江調教助手は高橋助手と札幌の少年乗馬クラブで一緒だったそうだ。明治大学馬術部で全日本4位にまでなったという俊英・高橋一宝助手、すぐに角居・友道・高野各調教師らのあとを追って調教師になり、“花のマツクニ・一門”の一翼を担っていくことだろう。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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