めったに出ないオークス逃げ切り 「競馬巴投げ!第122回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

複勝コロガシが破竹4連勝!

 前回の当コラムは春天皇賞のときで、シュヴァルグランを指名し、これはキタサンとカレンのハナ差争いの後ろで3着に入って、一応GI複勝コロガシはつながった。

 固いところばかり狙っているのもあるが、これで一応4連勝である(高松宮記念ミッキーアイル1・5倍、この馬券写真だけどっかいってしまったが。桜花賞ジュエラー2・4倍。皐月賞マカヒキ1・6倍。天皇賞シュヴァルグラン2・4倍)[写真1から3]

[写真1]ジュエラーの複勝馬券×1,500円 【写真:乗峯栄一】

[写真2]マカヒキの複勝馬券×3,600円 【写真:乗峯栄一】

[写真3]シュヴァルグランの複勝馬券×5,700円 【写真:乗峯栄一】

 千円が1万3600円(百円以下切り捨てで次を買うので)まできた。

 稀勢の里のように、若干緊張し始めるところだが、当コラムはここで2週の休みに入る。ここが難しい。

根が小心者ゆえ、色んな反応の心配まで

 春天皇賞の原稿は、4月入稿が桜花賞・皐月賞に続いて3回目になるので、月2回が原則の当コラムとしては異例だったのだが、担当編集者の理解により、4月、5月で5回のGIの予想をさせてもらうことになる。それでも、NHKマイルとヴィクトリアマイルは空いてしまう。

 天皇賞前日に、この2週のGIの狙い馬を書かねばならない。当初の予定では「NHKマイルには、いつも厩舎で見せてもらっているスマートオーディンが出るだろう。オーディンでダメだったら諦めもつく。ヴィクトリアマイルは牝馬ナンバー1の実力になってきたショウナンパンドラが距離短縮に関係なく勝つだろう」という、そういう目論みだった。

 でもスマートオーディンが「毎日杯→NHKマイル→ダービー」の得意の松国ローテではなく、NHKマイル前日の京都新聞杯(結果的にはこのレースを快勝してよかったのだが)に出るという。これには参った。何を本命にしよう。

 慌ててNHKマイルの登録馬を見渡すが、桜花賞一番人気で4着となり、ここに回ってきたメジャーエンプレム、もちろん強いとは思うが東京コースで逃げ切るんだろうか。それに単勝1倍台の圧倒的一番人気になるようなことがあれば、「こんなガチガチの馬を複勝コロガシで指名するのか、複勝は元返しじゃないのか」などという、そんな非難の心配もしなくてはいけない。とにかく根が小心者ゆえ、色んな反応の心配までしなければならない。

みんな、よく見てるわ

 それにしてもNHKマイル前哨戦と位置づけられているニュージーランドTの評価が低すぎないか? 勝ったダンツプリウスはもちろんだが、2着に入ったストーミーシーが最後方からものすごい脚を使っている。みんな、これを見落としているに違いない。しかも厩舎はヌーヴォレコルトを出している斎藤誠厩舎だ。美浦トレセンはまだ行ったことがないが、ヌーヴォ栗東滞在のとき訪ねていって、「ああ、あの乗峯さんか」と言って大変親切にしてもらった(ぼくが何かの馬を本命にする場合、このポイントが大変大きい)。これはストーミーシーで行こうと決意する。

 で「春天皇賞はシュヴァルグラン。もしシュヴァルで複勝コロガシが繋がったら、NHKマイルはストーミーシー、ヴィクトリアマイルはショウナンパンドラ。そして、これがもし成功したら、次回コラムのオークスのときには最低でも5万円ぐらいにはなっているでしょう」と書いた。

 しかしNHKマイル当日には、ストーミーシーは10番人気で単勝32倍、複勝でも8倍から10倍ついている。複勝コロガシ、一気に10万越えることになる。[写真4]

[写真4]ストーミーシーの複勝馬券×13,600円 【写真:乗峯栄一】

 うわー、参った、稀勢の里や琴奨菊どころじゃない。10万越えると緊張するよ、どうしよう。みんなどこ見てんの?と思ったが、そんなことは要らない心配だった。みんな、よく見てるわ。

 中団から伸びてくるかと思えたが、うん? 何かあったの? という感じで止まってしまった。まあ、しょうがない。こんなもんです。「これで気が楽になった」とまで一人呟いて「さあ、ダービー、ダービー」などと中身のない空元気を出した。

残り春GI4戦で「目標10万」のミニ複コロ始めます

 それでもまあ、ショウナンパンドラは名前を出したしと思い、ヴィトクトリアマイルで複勝千円買ったら、これがまた3着にきた。ここから残り春GI4戦で「目標10万」のミニ複コロ始めます。[写真5]

[写真5]復活ミニ複コロ・ショウナンパンドラの複勝馬券×1,000円、ここから10万円目指します 【写真:乗峯栄一】

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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