「前回優勝時にも肩を脱臼した選手がいましたよね」 負傷を吉兆と捉える、大谷翔平のメッセージ【WS第3戦】
10月28日(現地時間)に行われた、ドジャースとヤンキースによるWS(ワールドシリーズ)第3戦。ドジャースは先発ウォーカー・ビューラーが5回無失点と好投し、2対4で勝利。大谷翔平は3打数無安打だった 【Photo by Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images】
ドジャースは、初回にフレディ・フリーマンの2ランで2点を先制すると、小刻みに加点。そのまま逃げ切った。3勝0敗としたドジャースは、明日勝てば、スイープで8度目のワールドシリーズ制覇を達成する。
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ドジャースは初回、フリーマンの3戦連発となる2ランで先制した 【Photo by Luke Hales/Getty Images】
それは当然、10月26日(現地時間、以下同)の試合で左肩を亜脱臼した大谷翔平のことで、28日午後4時にスタメンが発表され、そこに大谷の名前を見つけると、フィールドにいたメディアが一斉にスマートフォンに目を落とし、SNSで一報を伝えた。
もっとも、最終的な決断は、試合前の打撃練習で状態を確認してからということだったので、まだスクラッチされる可能性があった。しかし、プレーボールの瞬間、大谷は足跡ひとつない、まっさらなバッターボックスに足を踏み入れた。
左手でユニホームを掴んでいた理由
塁上にいるときも、ダグアウトで祝福されるときも、大谷翔平の左手はユニホームを掴んだままだった 【Photo by Daniel Shirey/MLB Photos via Getty Images】
一方で、選手紹介のときには、ウィンドブレーカーを着て登場。左手でジャケットのみぞおちあたりを握ったまま、離さなかった。初回、四球で塁に出るとユニホームの首元を掴んだ状態で、リードを取った。よって、いつも通りというわけではなかったが、大谷は「試合中もずっと温めて、冷やさないようにすることが大事と言われていたので」と明かし、続けた。
「試合中もずっと温めるようにつけて、イニング間も基本的につけて過ごしていました」
何をつけていたかと言えば、それは保温サポーターだったようだが、走塁の仕草についてはこう説明している。
「スライディングをしたとき、左手が同じようなモーションになったときにまた、今の状態だと外れる場合が多いので、それを防ぐためにやっていました」
ただ、それらはあくまでも、予防的な措置、ということのよう。
空振りに顔をしかめる
影響はなかったのか? 大谷は、「テーピングをしたりしているので、いつもと違う感じはしましたけど、そこまで大きく違う感じはしなかった」と話したが、明らかにいつものスイングではなかった。もっとも痛みについては、「あまり覚えていない」と振り返っている。
「痛い、痛くないという感じは、顔にどの程度出ていたか分からないですけど、あまり考えてはいなかった」。
気になるようでは、試合に集中できない。痛みの感覚を遮断した。