MLBポストシーズンレポート2024

ヤンキース投手陣は大谷翔平をどう攻略するのか 過去の対戦からわかる「徹底されたコースと配球」

丹羽政善

あす10月25日(現地時間)から始まるヤンキースとのワールドシリーズの前に、メディアの取材に応じるドジャースの大谷翔平 【Photo by Daniel Shirey/MLB Photos via Getty Images】

 10月24日午前11時(現地時間、以下同)にドジャー・スタジアムのメディアゲートがオープン。しかし5分後、メディアに指定された駐車場に到着すると、すでに停めるところがなかった。

 駐車場の一角に、日本でも知られ、カリフォルニアを中心にお店を展開する「In-N-Outバーガー」のフードトラックが鎮座。今日は球場内の売店が閉まっているので、そこでランチを買えるかと思いきや、なんと、試合を中継するFOXテレビが独自に依頼したフードトラックだった。

 午後から順に両チームの監督、明日の先発投手などが会見に応じたが、ハイライトは午後1時45分から行われたメディア・アベラビリティ。両チームの全選手が、個別でオールスターゲームのときのように45分間、取材に応じている。

 ヤンキース、ドジャースの順で行われ、ドジャースは午後2時45分から。大谷翔平(ドジャース)のブースにはメディアが殺到し、あっという間に二重、三重の人垣ができた。

 その際の一問一答は、すでに様々なところで紹介されているはずだが、いくつか紹介すると――。

 まず、レギュラーシーズンとプレーオフの違いに関しては、こんな話をした。

「独特な雰囲気の中で、どれだけ冷静に自分の打席が送れるか。どういうシチュエーションであっても、シーズンと変わらないようにするのはなかなか難しい」

 ドジャースがワールドシリーズ出場を決めたのが10月20日の日曜日。中4日で本番に臨むが、その調整が初めてゆえか、苦労したよう。

「プレーオフをやってきたそういう熱量だったり、チームもそうですし、個人的にもそういう熱量をまず保ちながら休みを入れないといけないので、そこのバランスというか、実戦感覚も含めて、そこをまず継続しながら休むというのがちょっと特殊というか、難しかった」

大谷に対する「オーソドックスな攻め」

ヤンキースの左腕カルロス・ロドン。ポストシーズンでは3試合に先発し、14回1/3を投げて防御率4.40。奪三振率が高く、イニング数を超える22奪三振をマークしている 【Photo by Sarah Stier/Getty Images】

 ヤンキースのメディア・アベラビリティでは、カルロス・ロドンとの会話が興味深かった。

 ロドンと投球分析家のピッチングニンジャは、取材を通じて素晴らしい関係を築いているが、そのピッチングニンジャと先日話をしたとき、「ロドンのスイーパーにどう翔平が対処するのか、興味深い」と話をしていた。

 そのやりとりをロドンに伝えると、それに頷きながら、「理想はボールになるスイーパーを振らせたいけど、今年は振らなくなっているから、ゾーン内に入れないとこっちが苦しくなる。ただ、ゾーン内では捉えられるかもしれないから、難しいところだ」と説明した。

 では、どうするのか?

「それは対戦を見てくれれば、わかる」

 過去、二人の対戦成績は3打数1安打、3四球。1安打は本塁打。2018年9月7日のこと。あのときは内角高めの真っ直ぐを、大谷がセンター右に運んだ。

 今回、ロドンがどう攻めるかだが、ピッチングニンジャは「内角高めのまっすぐと、外角低めのスイーパーが中心」と予想。それは、ヤンキースがどう大谷をどう攻めるか、ということを考えたとき、一番オーソドックスな配球となりそうだ。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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