五輪に1勝届かなかったバドミントン福万尚子、パリ五輪に米国から教え子と参加
7月、米国のジュニア選手を日本に連れて来た福万コーチにインタビュー。パリ五輪への思いと、日米の環境の違いについて話してもらった 【平野貴也】
19年末に現役を引退すると、20年から米国で指導者としてのキャリアをスタート。2024年パリ五輪に3人の教え子を輩出し、担当選手の試合でコーチ席に入るパスも取得。あと一歩届かなかった五輪のコートに、違った形で足を踏み入れることになった。福万は「途中、五輪に行けなかった自分がコーチでは、選手も五輪に行けないのではないかと不安になった。でも、生徒が自分の夢をかなえてくれた。夢が一つかないました」と喜んだ。
コーチでも五輪レース最終戦勝負、肩の荷が下りて号泣
米国で与えた、前向きに挑み続ける意思とプラン
左からヴィンソン、ジョシュア、福万コーチ、ジェニー 【福万尚子さん提供】
また、自身が実業団でエース格になったことがなく自信を得るのに苦労したため、指導の際には「みんな、国際大会では勝っていなくて自信がなかった。それは分かる。じゃあ、どうやったら勝てるようになるか。それをイメージできるように、プラス思考に持って行くようにコミュニケーションを取った」と前向きな姿勢を保たせるように心掛けた。
男子ダブルスは、保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)とグループリーグで対戦する。福万が所属するグローバルバドミントンアカデミー(GBA)の創設者トニー・グナワンは、トナミ運輸で保木/小林を指導した経験がある。福万は「トニーの指導を受けた2人と対戦する、面白い組み合わせになった。もちろん相手が強いけど、思い切ったプレーをさせて勝ちに行く気持ちで準備したい」と不思議な縁を感じる一戦に臨む意気込みを語った。