週刊ドラフトレポート(毎週木曜日更新)

【週刊ドラフトレポート#08】スケールアップした甲子園V腕、東洋大・岩崎 万能外野手の立正大・飯山は父に続けるか

西尾典文
 秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、有望なアマチュア選手を毎週レポートします。

 今回は全国26連盟の中でも最もレベルが高いと言われる東都大学野球で、現在二部に所属していながら高い注目を集めている2人の選手を紹介します。
(企画編集:Timely!編集部)

*現時点のレベルバロメーター:
★★★★★5:複数球団の1位入札濃厚
★★★★☆4:1位指名の可能性あり
★★★☆☆3:2位以上の可能性あり
★★☆☆☆2:支配下での指名濃厚
★☆☆☆☆1:育成であれば指名濃厚

「大学でスケールアップした甲子園優勝投手。好調時の投球は世代トップクラス」

3年春から先発の一角に定着した東洋大・岩崎峻典。課題は残るがスケールアップを果たしている 【写真提供:西尾典文】

岩崎峻典(東洋大 4年 投手 178cm/78kg 右投/右打)

【将来像】松本裕樹(ソフトバンク)
好調時の抜群の制球と鋭く変化するスライダーは松本とイメージが重なる

【指名オススメ球団】DeNA
若くて勢いのある右投手が補強ポイント

【現時点のドラフト評価】★★☆☆☆
支配下での指名濃厚

 昨年は二部から西舘昂汰(専修大→ヤクルト1位)、星野恒太朗(駒沢大→ソフトバンク育成5位)、三部から宮里優吾(東京農業大→ソフトバンク育成2位)と3人の選手が指名された東都大学野球(昨年秋の時点での所属)。このように毎年二部以下のチームにもドラフト候補が少なくないが、今年投手で最注目と言える存在が東洋大の岩崎だ。

 履正社では2年夏に出場した甲子園で控え投手ながら4試合に登板。準決勝の明石商戦では先発して10奪三振、1失点完投、決勝ではリリーフで2回1/3を無失点と好投し、優勝投手にもなっている。当時からストレートは140キロを超え、ピンチでも全く動じない姿は強く印象に残った。

 東洋大では投手陣の層の厚さもあって2年まではわずかな登板に終わったが、3年春から先発の一角に定着。そして驚きのピッチングを見せたのが昨年秋の青山学院大戦だ(当時は一部に所属)。ストレートは立ち上がりから150キロ以上を連発し、最速は153キロをマーク。初回は相手の強力打線を相手に完全に力で抑え込んで見せたのだ。近くで見ていたNPB球団のスカウトもこの投球には驚いたようで「岩崎、こんなに速くなったのか」と話していた。しかしその一方で課題が見えたのも確かだ。この試合では5回を投げて1失点と試合は作ったものの、明らかに4回以降はスピードが落ちており、ファウルで粘られるシーンも多かったのだ。相手が春の日本一チームである青山学院大ということもあって初回から全力で飛ばしていたのかもしれないが、スタミナや長いイニングを投げ切る投球術などは課題が残る印象だった。その後の駒沢大との入れ替え戦でも最初の登板では8回までノーヒットと圧巻の投球で勝利投手となったが、中2日で登板した第4戦では中盤に崩れて6回途中4失点で降板し、チームも敗れて二部降格となっている。

 そして昨年秋に感じた岩崎の課題はこの春にも持ち越されているように見える。東都二部の開幕戦となった立正大との試合でも立ち上がりは見事な投球を見せながら、中盤に崩れて負け投手となっている。5月8日の国士舘大戦では自己最速に並ぶ153キロをマークして完封勝利を飾ったものの、21日の専修大戦では1回を持たずに3失点で降板。これを見ても素晴らしいボールはありながらも、なかなか投球が安定していないというのがよく分かるだろう。昨年秋に153キロをマークした試合でも近くで見ていたスカウトが「元々コントロールが良い投手だけど、出力が上がってそれを制御しきれていないように見える」と話していたが、まさにそんな状態が続いている印象だ。

 ただ、それでも鋭く横に滑るスライダーやブレーキのあるフォークなど変化球のレベルも高い。安易に小手先の投球術に頼ろうとせずに、投球の基本となるストレートの勢いが上げることを疎かにせず、スケールアップを果たしたことは好感が持てる。好調時のピッチングの再現性を高めることができれば、一気に上位候補になることも十分に考えられるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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