千葉ジェッツのジョン・ムーニーが1月のMVPに…献身的なプレーでチームを支えて8戦無敗に貢献

大島和人

千葉J加入3シーズン目にして初の月間MVPに輝いたジョン・ムーニー 【提供:千葉ジェッツ】

 Bリーグの月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」は、選考委員長の佐々木クリス氏をはじめとした選考委員による合議で決定している。2024年1月の月間MVPには千葉ジェッツのジョン・ムーニー選手が選出された。

 ムーニーはアメリカ生まれの25歳で、206センチ111キロのインサイドプレーヤー。1月の8試合では平均19.5得点9.3リバウンドとハイレベルなスタッツを記録している。8勝0敗と1月を無敗で終えたチームを、富樫勇樹とともにけん引した。

“ムーン”の愛称で親しまれる彼は攻守にスキがない、献身性と高いスキルを兼ね備えたオールラウンダーでもある。千葉J加入3シーズン目を迎え、ジェッツブースターにとってはもはや「おなじみ」の存在だろう。今回のインタビューではチームの状況から自身のプレー、プライベートまで、様々な質問に対して丁寧に答えてくれた。

1月は「素晴らしい1カ月」 8連勝で東地区上位争いを演じる

――2024年1月の「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」受賞、おめでとうございます。まず受賞の感想を教えてください。

 月間MVPの受賞を誇りに思います。皆さんに対して、本当に感謝しています。この1月に自分自身がいい状態をキープできたのは、チームメートやコーチのおかげですから、彼らにも感謝しています。

――千葉Jは1月のリーグ戦を8勝0敗の無敗で終えました。チームにとってはどういう1カ月でしたか?

 本当に素晴らしい1カ月間を過ごせました。順位や勝率が拮抗していて、忍耐と努力が必要な時期でしたが、チームメートも自分も一生懸命やって、それを結果として示せたことが一番良かったです。ようやくお互いをわかり合って、ケミストリーが深まってきているように感じています。

――ご自身のプレーはどうでしたか?

 状態は本当に良かったです。コーチやチームメートが自分を信頼してくれて、自由にプレーさせてもらえて感謝しています。

――今シーズンは東アジアスーパーリーグ(EASL)もあり、日程が例年以上にハードでした。12月まではその影響もあったと思いますが、コンディションや戦術といった面でアジャストできたのでしょうか?

「成功は一夜にしてならず」という言葉があるとおり、新しい組織が簡単に良くならないことはわかっていました。タフなスケジュールでも試合をこなし、経験値が上がっていったことで、今はチームケミストリーがかなり深まっていることを実感できています。

――今シーズンの千葉Jはディー・ジェイ・ステフェンズ選手、アイラ・ブラウン選手、ゼイビア・クックス選手が加わり、ムーニー選手以外の帰化選手および外国出身選手は全員が入れ替わりました。

 人が変わればチームも変わります。チームケミストリーの熟成には、先ほど言ったように時間が必要です。まだ「成功」ではなく、ケミストリーを作り上げる過程ですが、ようやく少し結果が出て、チームの状態も上向きになってきたのかなと感じています。

――個人の話に戻します。1月のスタッツを見てもムーニー選手は波のない、コンスタントな活躍が印象的です。何か理由はありますか?

 継続性を意識しています。試合前日の夜から気持ちを作って、試合当日にしっかり集中するサイクルを大切にしています。あと不必要に考えすぎず、相手に反応して自分から仕掛けるマインドで自由にプレーできていて、それが(コンスタントな)状態の良さにつながっているのかなと思っています。

――ムーニー選手はオールラウンドなタイプで、インサイドプレーヤーでありながらハンドリングや3ポイントシュートも苦にしないタイプです。そんな中でもご自身が「これは最大の強み」と考えているのはどんなプレーですか?

 一つ挙げるならリバウンドかなと思います。ディフェンスリバウンド、オフェンスリバウンドの両方ですね。リバウンドはチームにポゼッションを一つ多く与えるプレーですから大切な貢献です。

 オフェンスでは流れの中でタイミングがあればしっかりとシュートを打ちきる、決めきるプレーです。富樫(勇樹)選手とのコンビネーション、ピック&ロールの連携には自信があります。富樫選手がディフェンスを引き寄せてくれるので、タイミングを合わせて(ゴール下へのロール、アウトサイドへのポップから)自分が得点できています。

――ムーニー選手は1試合平均のリバウンド数がB1全体の2位(2月末時点)で、その強さは数字にも現れています。インサイドプレーヤーとしてはそこまで大型ではないあなたが、それだけゴール下で「勝てる」理由が気になります。例えばポジショニングなのか、予測なのか、体の使い方なのか、跳躍力なのか、そこを説明してもらえますか?

 今おっしゃったことすべてが理由ですね。ポジショニングだったり、ボックスアウトでヒットを仕掛けることだったり、跳ぶことだったり。すべてが大切ですけど、最終的には気持ちだと思います。「縁の下の力持ち」の役割を果たして、チームのためになる――。その思いがあるからリバウンドを取りきれるのだと思います。

ここまで1試合平均11.4リバウンドを記録 【提供:千葉ジェッツ】

――富樫選手はムーニー選手とともに千葉Jのキャプテンで、日本を代表するポイントガードですが、ムーニー選手にとってはどういう存在ですか?

 彼とプレーすることは楽しいですし、本当に最高ですね。コンビを組んで3シーズン目なので、言葉がなくてもお互いの意図が伝わる関係です。クイックネスやスキルについても彼は特別です。

 あと今回こうして私が月間MVPに選ばれたのは、彼がTwitter(X)でキャンペーンへの参加を呼びかける投稿をしてくれた事も一つの要因かもしれないので、感謝しています。フォロワーが何十万人もいて、影響力の大きな選手なんだなと改めて思いました(笑)

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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