島根のペリン・ビュフォードが今季初の月間MVP…12月は驚異的なスタッツを連発

大島和人

12月は50得点での“トリプルダブル”達成など大活躍を見せた 【提供:島根スサノオマジック】

 Bリーグの月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」は、選考委員長の佐々木クリス氏をはじめとした選考委員による合議で決定している。2023-24シーズン12月の月間MVPには島根スサノオマジックのペリン・ビュフォード選手が選出された。

 ビュフォードはアメリカ生まれの29歳(2024年1月25日に30歳)で、198センチ100キロのスモールフォワード。2023年12月の11試合は1試合平均26.8得点7.6アシストと、いずれもリーグ1位のスタッツを記録している。2度の“トリプルダブル”を記録し、島根の西地区2位への浮上をけん引した。

 ビュフォードは今シーズンこそ初受賞だが、同賞の“常連”でもある。今回はそんな彼に12月の戦いを振り返ってもらった。

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攻守両面で活躍し、巻き返しの立役者に

――ペリン・ビュフォード選手は2022-23シーズンに月間MVPを3度受賞していますが、今シーズンは初めての受賞です。改めてそのご感想をお願いします。

 これは自分の努力が周囲に認められた、報われた証明です。いつものことですが、うれしく受け止めていますし、感謝しています。それに甘んじることなく、精進したいと思います。

――最初にチームのことをお聞きします。11月の島根は1勝5敗と決して良くない成績でしたが、12月は8勝3敗と巻き返しました。11月と12月の比較、振り返りをお願いします。

 11月はまだ「チームのアイデンティティーを見つけようとしていた」段階でした。どの選手も頑張ろうとはしていたのですが、残念ながら言い訳しようがない結果に終わってしまいました。それでもくじけることなく努力を続けて、コーチ陣の求めたことを実行できて、12月は巻き返しができたと思っています。

――今おっしゃった「チームのアイデンティティー」とはどういうものですか?

 言葉にすると「ハードノーズ」(固い鼻)です。相手の鼻をへし折るほど、激しく、強度の高いバスケットボールスタイルという意味です。まず相手にタフなミドル、タフなレイアップを打たせて、ディフェンスリバウンドを取る。そして素早くコートを走りながらフリースロー、レイアップ、3ポイントを打っていくようなバスケットボールをする。それが現時点で我々のアイデンティティーだと思っています。

――ビュフォード選手は1月中旬の「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND2024 IN OKINAWA」に選出され、出場していました。ただしダンクコンテストは辞退、欠場しています。コンディションに少し問題があるのだろうと思いますが、そこは大丈夫ですか?

 詳細まではお話できませんが、現時点における私の足首のコンディションは80〜85パーセントの状態です。負荷をかければかけるほど悪化するものなので、ファンの皆さまには本当に申し訳ない気持ちでしたが、ダンクコンテストを辞退しました。今はやはり自分が所属するチームに貢献することが最優先ですし、可能な限りいい状態で試合に臨めるように努めていますので、ご理解いただければと考えています。

――ディー・ジェイ・ステフェンズ選手(千葉ジェッツ)が優勝しましたけれど、彼のダンクはどうご覧になりました?

 友人ではありませんが、彼のことは以前からよく知っていました。バスケットボール界でも知る人ぞ知る跳躍力の持ち主で、私も過去に彼のダンクを映像で見ました。ただ初めて生で見て、あのようなダンクを彼が簡単にやってのけたことに関してはビックリしました。しかもそれをキレイに乱れなくできていて、素晴らしい技術だなと感じました。

――12月の11試合の中で、ビュフォード選手が特に印象に残っているものは、いつの試合ですか?

(12月6日の)名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦です。自分が攻守で貢献できた試合でした。名古屋Dは西地区の順位も我々の上にいたので、追いつき追い越せの気持ちで臨んだ試合でした。結果として勝利できましたし、相手にも「このシーズンは楽なものにはならないぞ」と印象づけられたと思います。

――試合は島根が93-75で勝利。ビュフォード選手は32得点6リバウンドとオフェンスで素晴らしいスタッツを記録しています。今のお話だと守備でも貢献できた実感が残っているということですね?

 数字には表れない部分ですが、正しいスペーシングからスティールを狙ったり、ヘルプディフェンスをしたり、仲間たちに声をかけて助けられた試合でした。自分はオフェンスだけでなく、ディフェンスのリーダーとしてもチームに貢献している自負があります。名古屋D戦はそれができた試合でした。

――スタッツを見たら6スティールを記録しているので、そこは「数字」にも表れています。

 その試合は特に「エナジーを持って戦いたい」と思っていました。自分は「仮にシュートが入らないかもしれないけれども、ディフェンスでどういったインパクトをもたらせるか」ということを常々考えています。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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