18歳・川島悠翔が衝撃の日本代表デビュー グアム戦で本人が語った手応えと課題
川島悠翔がグアムとのアジアカップ予選で日本代表デビューを果たした 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
2月22日のFIBAアジアカップ2025予選グアム戦は平日開催にも関わらずチケットが完売し、有明コロシアムを8672名の観客が埋めていた。ホーバスジャパンにとっては173日ぶりの「代表戦」だった。
直近のFIBA世界ランキングを見ると、W杯で大きく順位を上げた日本は26位。対するグアムは76位で、25日に対戦する中国(世界ランキング29位)に比べると与し易い(くみしやすい)相手だった。1試合にベンチ入りさせられる選手数は12名だが、試合間隔が短くても別々の人選が可能。合宿期間中の取材でトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)は「15人以上は行かないけど、見たい選手もいる」とグアム戦と中国戦の選手入れ替えを示唆していた。
18歳、川島悠翔が代表デビュー
ハレルソンはジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)に「もしも」があったときのサブだろう。一方の川島は間違いなく日本バスケの未来を背負うオールラウンダーで、年代別代表では既に世界大会を経験し、いわゆるフル代表にも昨年から招集されていた。
群馬県出身で2005年5月生まれの彼は、福岡大附属大濠高1年次にウインターカップ優勝へ貢献。2年を終えたタイミングでオーストラリアに渡り、今ではNBAの若手養成機関「グローバルアカデミー」でプレーしている。
そんな大器がグアム戦で期待以上のプレーを見せた。第2クォーター開始とともに登場すると、最終的には合計13分56秒の出場時間を獲得。6得点2アシスト3リバウンドのスタッツを残している。
元々2メートルの身長に似合わぬ身軽さ、スキルを持つ彼だが、会うたびに上半身が逞しくなっていく。グアム戦は主に4番(パワーフォワード)としてプレーし、相手のビッグマンに対するインサイドの攻守で「強さ」も見せた。
本人はグアム戦をこう振り返る。
「自分の武器であるドライブ、あとはアグレッシブなディフェンスと、リバウンドを求めているとトムさんが言っていました。だからそこを全力で遂行しようという気持ちで臨みました。試合後は『良かったよ』と言ってくださいました。前半は緊張していて、足もすごく来ていたんですけど、2回目の交代から雰囲気にアジャストできました。チームメイトの皆さんが声をかけてくれたので、そこで自分の緊張が解けました」
ドライブ、ダイブで流れを変える
ホーバスHCは言う。
「前半も彼のプレーは全然悪くなかった。少しのミスとか、色々あったけど、彼のエネルギーが大事かなと思っていた。例えばトランジションブレイク(切り替えからの速攻)とか、リバウンドもよくてディフレクション(ボールに触って軌道を変えるプレー)とかティップ(弾くプレー)ができる。だから彼はプレーイングタイムが長くなったんです」
前半の日本は人とボールが「外」を中心に動いていた。ハレルソンもビッグマンながら3ポイントシュートが得意で、外へ膨らむ「ポップ」の動きを好むタイプだ。一方でペイントエリア内(ゴール下の制限エリア)に仕掛ける動きが乏しくなれば、ディフェンス(DF)を収縮させて揺さぶる効果を出せない。そんなコート上のバランスを変える必要があった。
後半の川島に期待されていたのはインサイドへのドライブ、ダイブ(飛び込む動き)だった。
「流れが悪いときに自分のドライブで流れを持ってこれたことは、本当に良かったと思います。前半は3ポイントが全然入っていなくて、トムさんもチームに『切れ込んで行け』と言っていました。自分の役割が来たなということで、思い切ってやりました」