ロバーツ監督が語る「大谷翔平とバリー・ボンズの共通点」とは?【ドジャースキャンプレポート】
ブルペンで投球練習をする山本由伸(右)と、それを見つめる大谷翔平(左奥) 【写真は共同】
大谷の即席サイン会にファンが殺到
大谷、山本由伸の入り待ちーー。キャンプ前日は、午前6時すぎからカメラマンらが待機。その中にはアメリカ人のカメラマンも混じっていたが、多くが「寒い、寒い」を連発。気温は5度前後だったが、アリゾナでも2月初旬の早朝はそれなりに冷え込む。雨も少なくない。
ドジャースのキャンプ初日、大谷を取材する報道陣 【写真は共同】
ただその初日、思いもよらぬことも。
大谷の会見が終わってしばらくしてから、デイブ・ロバーツ監督の会見が始まった。
「大谷は、毎日のように話をするタイプではない。代わって誰かが話すことになる。他の選手はどう思うだろうか? 翔平にそのことを伝えるか?」と聞かれると、ロバーツ監督は、「(バリー・)ボンズもそうだった」と、ジャイアンツ時代の過去を語り始めた。
「ホームラン記録を追いかけているときとか特にそうで、自分が代わっていろんな話をしたよ」
では、ドジャースでは誰が、そのロバーツ監督の役割を担うのか?
「ジェイソン・ヘイワードにお願いしようかな。日本のメディアの皆さん、ヘイワードのところへ行ってください」
監督は、「自分のところに来い」とは言わず、失笑が漏れた。
そんなやり取りが交わされているとき、背後で100人近い人が一斉に動く気配があった。振り返ると、みんな1箇所に向かって走り出していたのである。どうやら山本がフィールドに姿をみせたらしい。慌てた球団広報数人が、方々に連絡を取り始めた。ファンが殺到し、選手との導線を仕切るフェンスなどが倒れないか、確認したようだ。
キャンプ初日、ブルペンで投球練習をする山本 【写真は共同】
その日は11日に訪れた。以下の映像(ドジャースキャンプレポート①)でも紹介しているたが、山本がブルペンに入ると、大谷もそれを見守った。そして終了後、並んでクラブハウスへ歩き始めたのである。案の定、ファンと接触する唯一の導線――30メートルほどの通路に、ファンが殺到した。
大谷は立ち止まってサインを始めたが、前方のファンが危険と察知してか、5人ほどで取りやめた。セキュリティの数が足りていなかった。