ドジャースキャンプレポート2024(毎週木曜日更新)

ロバーツ監督が語る「大谷翔平とバリー・ボンズの共通点」とは?【ドジャースキャンプレポート】

丹羽政善

ブルペンで投球練習をする山本由伸(右)と、それを見つめる大谷翔平(左奥) 【写真は共同】

大谷の即席サイン会にファンが殺到

 2月9日、大谷翔平(ドジャース)の会見に集まった報道陣の数は約80人。いや、テレビクルー全員を含めれば100人近かったか。しかし、2018年のキャンプ初日を振り返れば、想定内。数だけなら、6年前のほうが多かった。

 大谷、山本由伸の入り待ちーー。キャンプ前日は、午前6時すぎからカメラマンらが待機。その中にはアメリカ人のカメラマンも混じっていたが、多くが「寒い、寒い」を連発。気温は5度前後だったが、アリゾナでも2月初旬の早朝はそれなりに冷え込む。雨も少なくない。

ドジャースのキャンプ初日、大谷を取材する報道陣 【写真は共同】

 キャンプ初日、大谷は会見こそしたが、外で体を動かすことはなく、集まった数百人のファンは肩透かし。しかし、まだあくまでもリハビリ中。他の選手とは、まるでメニューが異なる。

 ただその初日、思いもよらぬことも。

 大谷の会見が終わってしばらくしてから、デイブ・ロバーツ監督の会見が始まった。

「大谷は、毎日のように話をするタイプではない。代わって誰かが話すことになる。他の選手はどう思うだろうか? 翔平にそのことを伝えるか?」と聞かれると、ロバーツ監督は、「(バリー・)ボンズもそうだった」と、ジャイアンツ時代の過去を語り始めた。

「ホームラン記録を追いかけているときとか特にそうで、自分が代わっていろんな話をしたよ」

 では、ドジャースでは誰が、そのロバーツ監督の役割を担うのか?

「ジェイソン・ヘイワードにお願いしようかな。日本のメディアの皆さん、ヘイワードのところへ行ってください」

 監督は、「自分のところに来い」とは言わず、失笑が漏れた。

 そんなやり取りが交わされているとき、背後で100人近い人が一斉に動く気配があった。振り返ると、みんな1箇所に向かって走り出していたのである。どうやら山本がフィールドに姿をみせたらしい。慌てた球団広報数人が、方々に連絡を取り始めた。ファンが殺到し、選手との導線を仕切るフェンスなどが倒れないか、確認したようだ。

キャンプ初日、ブルペンで投球練習をする山本 【写真は共同】

「あれが翔平だったら、もっと大変なことになっていたかな」とは、近くにいたセキュリティ。「翔平がフィールドで練習するときには、もうちょっと、人を増やさないと」。

 その日は11日に訪れた。以下の映像(ドジャースキャンプレポート①)でも紹介しているたが、山本がブルペンに入ると、大谷もそれを見守った。そして終了後、並んでクラブハウスへ歩き始めたのである。案の定、ファンと接触する唯一の導線――30メートルほどの通路に、ファンが殺到した。

 大谷は立ち止まってサインを始めたが、前方のファンが危険と察知してか、5人ほどで取りやめた。セキュリティの数が足りていなかった。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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