データで見る12球団の若手有望株セ・リーグ編 今季飛躍が期待される逸材をチェック!

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広島は投打にブレーク期待の逸材を抱える

広島:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】

 ドラフトでは支配下で4人の大卒投手を獲得した広島。チームには彼らとともに、飛躍を期待される投手が多い。3年目を迎える森翔平は、昨季から本格的に投じるようになったフォークで空振りが奪えるようになり、奪三振率10.23をマーク。一軍でも4勝を挙げており、床田寛樹に次ぐ先発左腕として年間を通した活躍に期待がかかる。森と同じ2021年ドラフトで1位指名を受けた黒原拓未も、先発として完成度の高いピッチングを披露しており、今春の実戦登板に注目したい。

 このほか、1年目を終えた投手たちを取り上げる。今年23歳となる河野佳は、非常に優れた制球力を武器としている。その一方で、奪三振能力には課題を抱えており、決め球の精度向上が求められる状況だ。高卒ドラフト1位の斉藤優汰は、平均を大きく上回る球速を計測。1年目は体づくりを中心に登板機会は少なかったが、ポテンシャルの高さが数字にも表れている。最後に紹介する日高暖己は、直球と変化球のバランスに優れ、まとまりのある投球を持ち味としている。今後フィジカル面の強化によって、球速が上がってくると面白い存在だろう。

広島:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】

 今春のキャンプで一軍メンバー入りするなど、首脳陣から高い評価を受けるのが高卒3年目の田村俊介だ。1年目は二軍で打率1割台とプロの壁に当たったが、昨季は打率.278、4本塁打と成長を示した。初球から超積極的にスイングするスタイルを特徴としているが、三振割合が平均より高く、ひと振りで仕留める確率を今季は高めたいところ。2021年に一軍で10本塁打を放った林晃汰は、過去2年間は二軍でも成績が伸び悩んでいる。それでも9月に月間5本塁打をマーク。秋季教育リーグでは外野に挑戦して打撃で好成績を収めるなど、シーズン最終盤に手応えをつかんでおり、今季は一軍定着に期待したい。

 最後に、二軍で圧倒的な成績を残しているのが中村奨成である。三振を上回る四球を獲得したアプローチ面に加え、111打席で3本塁打と一定の長打力も備えている。今季は打力を生かすべく捕手から外野手に登録が変更となったが、末包昇大とともに一軍でブレークを果たしたいところだ。

日本一の阪神はファームも充実の選手層

阪神:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】

 昨季は球団38年ぶりの日本一を成し遂げた阪神。一軍は生え抜き選手を主体とするチーム構成で結果を残したが、二軍も充実した選手層を誇る。投手陣では一軍のキャンプメンバーに選ばれた4人を取り上げたい。高卒1年目を終えた門別啓人は、12試合に登板して防御率2.78を記録。ほかのデータでも非凡なところを見せており、今季にも強力な一軍投手陣に割って入る可能性があるだろう。門別と同期の茨木秀俊は、シーズン中盤から先発として積極的に起用された。打者1巡目にはまずまずな投球を見せており、岡田彰布監督が期待を寄せるボールを投じている。

 制球力に優れた左腕の富田蓮は、防御率1.77と好成績をマークした。チームでは大竹耕太郎や伊藤将司といった、球速が速くはない技巧派左腕が結果を残しており、富田も彼らに続く活躍が期待されるところ。リリーフの岡留英貴は、二軍で非の打ち所がない成績を残すと、シーズン後半は一軍でも好投を見せた。サイド気味のフォームが特徴の右投手ではあるが、左打者に対して無類の強さを見せており、ワンポイントの起用ではなく1イニングを任せられる投手だ。

阪神:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】

 野手陣では、まず外野のレギュラー候補として期待される3人を取り上げたい。この中で最年少ながら一軍で最も出番を得ているのが前川右京だ。二軍では打率.320のハイアベレージに加えて三振も多くはなく、バットコントロールの良さが際立っている。今季は課題の守備力を磨き、スタメン定着を目指したい。次に紹介する小野寺暖は、非常に優れた選球眼を特徴としている。二軍で三振を少なく抑えながら、それを上回る四球を獲得すると、一軍でも83打席に立って出塁率.402を記録している。今季は三塁手にも挑戦しており、出場機会の増加が見込まれる。

 そして、昨年の秋季キャンプで育成から支配下契約となったのが野口恭佑だ。1年目の昨季は二軍で打率.303、6本塁打を記録すると、台湾で行われたオフのウインターリーグでも3割を超える打率を残している。今春のキャンプでも話題を集めており、今季はブレークが期待される。最後に、順調な成長を見せているキャッチャーの中川勇斗を紹介する。前年から出塁率は低下したものの、入団から2年続けて二軍平均を上回るOPSをマーク。また捕球技術にも優れており、攻守で高いポテンシャルを示している。現在、チームの捕手では梅野隆太郎と坂本誠志郎がゴールデングラブ賞のタイトルを獲得する活躍を見せているが、今後の展望も明るいポジションとなっている。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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