日本ハム・万波が語る2023年と2024年 「自分が目指す野球選手」への歩み

加賀一輝

2023年は飛躍の1年となった日本ハム・万波 【写真は共同】

 WBCでの侍ジャパン王座奪還や阪神の38年ぶり日本一に沸いた2023年の野球界。オフに入ってもその熱は冷めやらず、新たな1年を迎えた。そんな中、スポーツナビでは新年1月7日14時から読売テレビ・日本テレビ系で放送される『大和地所スペシャル 超プロ野球 ULTRA』の収録現場を取材。収録に参加する12球団計24人の選手にインタビューを行った。

 今回は日本ハム・万波中正のインタビューの模様をお届けする。持ち前の強肩強打でスターダムに躍り出た背番号66は、どんな1年を過ごしてきたのか。そして、どんな未来予想図を描いているのか?

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「自分が目指す野球選手」とは?

 まずは2023年シーズンを振り返ってもらうと、「個人的には成長を実感できましたし、初めて規定打席に到達できたのもあって、自分が目指す野球選手への第一歩を切れた1年になりました」と語った万波。

「自分が目指す野球選手」とは?

「僕が小さい頃に野球を見ていた時は、目当ての選手がいると思っていた。レギュラーを取っている選手はずっと出ていてほしかったんです。その経験から、“いつも試合に出て、いつも活躍する選手”を目指している。その中で昨季141試合に出られたのは、自分の中で一番胸を張れるところ。今季以降に(シーズン全試合の)143試合出られるようにする目標において、一歩目を切れたかと思います」

 巷では新庄剛志監督の再来、その先には背番号「1」の後継者に、という声も聞こえてくる。これらの声について、本人はどう受け止めているのか?

「新庄監督の再来ですか? 監督に言われることはないですけど、当時の新庄選手をかっこいいと思っていた少年の一人だったので、そう言ってもらえるのは嬉しい。守備も打撃もどっちも貢献したい思いがありますし、嬉しい言葉ですよね」

本塁打王は「めちゃめちゃ取りたいと思っている」

イベントではお茶目な一面も披露 【(C)読売テレビ】

 昨季のベストパフォーマンスには、8月17日のロッテ戦(エスコンF)での“レーザービーム”を挙げた。

「ポランコ選手の打球を捕ってサードで刺したプレー。自分の捕り方とスローイングもかなりうまくいきましたし、清宮(幸太郎)さんがタッチでショートバウンドをカバーしてくれて、2人の共同作業でアウトにした。お互いミスがないプレーだと思います。自分だけがどうかしたわけじゃなくてチームスポーツの良さというか、一緒にアウトにした感じがかなり強いので、それはすごく嬉しかったですね」

 一方、バッティングについてはどうだろうか。

「(あらゆるプレーの中で)特に重点に置いているのは、打つことですね。オスナ投手からホームランを打った打席があったんですけど、それはオフシーズンから練習していること、時間かけてやってきたことがうまく発揮できた打席だった。あれはホームランという結果以上に、取り組みが実った打席だったと感じますね。先頭打者ホームランと合わせて打てたのも印象に残っています」

 9月16日、本拠地でのソフトバンク戦。「1番・右翼」で先発出場した万波は、石川柊太から先頭打者ホームラン。1−1で迎えた9回裏には、相手の守護神・オスナからレフト2階席に突き刺さるサヨナラ弾を放った。

 1人の選手による「先頭打者弾&サヨナラ弾」はリーグ初の離れ業。とりわけサヨナラ弾は、オスナの内角に入る剛速球をコンパクトに叩いて距離を出す、技術の高さが光った。

 本塁打王のタイトルについては、「めちゃめちゃ取りたいと思っています」と意欲を隠さない。「(打率、打点を含めた)打撃三部門のタイトルは憧れでもある」としつつも、「2023年は1本差で逃したのもあって、ホームラン王への意識は強いですね」と語る。

 今季は自身初のタイトル獲得なるか、注目だ。

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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