データで分析する現役ドラフト連載2023

【現役ドラフト】データで見るパ・リーグ6球団の補強ポイント 山本移籍が濃厚なオリはどのポジションを強化する?

データスタジアム株式会社

ポスティングでのMLB移籍により、大エース・山本由伸が抜けることが濃厚なオリックス。それを踏まえた補強ポイントは? 【写真は共同】

 出場機会に恵まれない選手の移籍活性化を狙い、昨年度に初めて実施された現役ドラフト。12月8日に開催予定の第2回現役ドラフトに向け、前年の振り返りや今年の注目ポイントを全5回に分けてお届けする。

※内容は2023年11月29日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2023年12月31日時点
 今回はチームごとに「ポジション別得失点貢献」を確認し、補強を図りたいポジションや選手のタイプを示していく。貢献度に使用する選手評価は、野手の打撃をwRAA(Weighted Runs Above Average)、守備にはUZR(Ultimate Zone Rating)。投手はRSAA(Runs Saved Above Average)を用いている。いずれもリーグ内の平均的な選手と比較して、打撃・守備・投球でどれだけ得失点に貢献しているかを示した指標であり、本稿ではそれぞれ同一ポジションの平均的な選手と比較している。なお、RSAAの計算式で使用される失点率は実際のものではなく、守備の影響を排除したtRA(True Run Average)を使用している。

 また後述の選手名とポジションがマッピングされている画像の円は、橙色が得失点貢献でプラス、青色は逆にマイナスであり、円のサイズは数値の絶対値の大きさを示している。橙色の円が大きいほど貢献度が高いことを表す。

 今回、評価に活用した2つの指標(wRAA、RSAA)は、スポーツナビがプロ野球の週間MVPを選出する企画でも活用しており、指標の解説を以下リンクから確認できる。

【データ提供:データスタジアム】

補強ポイント:救援投手、経験豊富な内野手

 2年連続最下位からの巻き返しに燃える日本ハム。ドラフト会議では1位で東洋大の速球派左腕・細野晴希、2位以下では捕手1名、内野手1名、外野手2名を獲得しており、バランスの取れた指名でチーム全体の底上げを図った。今季の先発陣はリーグ平均レベルの貢献度を残していたが、エース・上沢直之がメジャー挑戦を目指してポスティングシステムを申請したほか、ポンセの退団も濃厚となっている。来季はチームの弱点となる可能性もあったが、オリックスからFA宣言した山崎福也を獲得できたことは大きかった。金村尚真や根本悠楓といった有望な若手先発の存在もあり、現役ドラフトでは層の薄いリリーフが狙い目となるだろうか。先日には2018年ドラフト1位右腕の吉田輝星を放出してまでオリックスから黒木優太をトレードで獲得しており、現役ドラフトでも即戦力級のリリーバーを選択するかもしれない。

 一方の野手陣は、二遊間の貢献度がともに大きく落ち込んでいるものの、昨年の結果を見る限り現役ドラフトで二塁や遊撃をメインとする選手がリストアップされる見込みは薄い。その二遊間は上川畑大悟や奈良間大己、加藤豪将といったキャリアの浅い内野手が多いため、もし経験豊富な内野手が指名できる状況であれば、獲得を検討してもいいだろう。

【データ提供:データスタジアム】

補強ポイント:スラッガータイプの外野手、救援投手

 松井稼頭央監督のもとで新たなスタートを切るも、5位に終わった西武。戦力図を見ると、前年に続いて外野が3ポジションとも大幅なマイナスとなっており、明確な補強ポイントといえる。ただし、大卒ルーキーの蛭間拓哉や21歳の長谷川信哉ら若手が出場数を伸ばしており、来季以降に状況が好転する可能性も秘めている。現時点で明確な弱点といえるのは事実だが、安易に外野手を狙えばよいという状況ではないはずだ。現状の外野陣は、今季のチームスローガン”走魂”が示すように俊足巧打タイプの選手が多いため、もしスラッガータイプの選手がいれば既存の戦力との差別化を図れるかもしれない。

 投手陣に目を向けると、先発は与四球の多さが災いして貢献度がマイナスとなったものの、髙橋光成、平良海馬、今井達也の3投手が2ケタ勝利を達成。隅田知一郎も9勝を挙げるなど、20代の投手でローテーションを形成した。ドラフト会議では3球団が競合した国学院大・武内夏暉を獲得しており、先発候補は充実している。一方で救援陣はリーグ2位の防御率2.79を記録したが、ブルペンを支えていた森脇亮介や佐々木健が長期離脱を余儀なくされ、今オフには育成契約となった。また今季はクローザーの増田達至が安定感を欠いていたこともあり、リリーフは頭数を必要とする状況となっている。

【データ提供:データスタジアム】

補強ポイント:投手、若手大砲候補

 今江敏晃新監督が就任し、来季で球団創設20周年を迎える楽天。ドラフト会議では1位で桐蔭横浜大の投手・古謝樹を獲得。2位以下は7人のうち高校生が5人と、将来性を重視する指名となった。今季チーム防御率がリーグ最下位に沈んだ投手陣は、ルーキー・荘司康誠が先発ローテーションに定着したものの、田中将大や岸孝之といったベテランが投球イニングの多くを占めており、若手の突き上げが待たれるところ。救援陣に関しても、今季39セーブを挙げた守護神・松井裕樹のメジャー移籍が有力のため、現役ドラフトでは先発、救援を問わず投手陣の強化が最優先事項だ。すぐに一軍で通用する即戦力にこだわらず、今秋のドラフト会議と同じく将来性を重視する選択も悪くないだろう。

 一方、リーグ2位の得点数を記録した野手陣は、明確な弱点といえるポジションはない状況だ。ただし、チーム全体でスラッガータイプの野手は多くない。浅村栄斗が本塁打王を獲得するも、若手の長距離砲候補が見当たらない状況だ。もし現役ドラフトでその穴を埋められそうな候補がいた場合は、課題の投手陣同様に獲得を検討したい。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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