【現役ドラフト】注目野手12人を紹介 “第2の細川成也”になれる可能性を秘めた選手も?
ソフトバンクの水谷(左)は、まだ一軍出場の経験こそないものの、ポテンシャルとしては万波のような主力選手になる可能性を秘めている 【写真は共同】
※本文は2023年11月28日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2023年12月31日時点
今回は現役ドラフトの対象となる選手の中から、二軍で好成績を残した選手をピックアップした。環境次第では主戦場を一軍に移し、より一層の活躍が期待される選手たちである。昨年度の現役ドラフトで移籍した野手の中では、中日の細川成也が主力級の活躍を見せたが、彼に続くような活躍の可能性を秘める選手たちを紹介したい。
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5年目の山野辺翔は今季一軍で35試合の出場ながら6盗塁を記録したスピードを武器とする。二軍では7本塁打を放ったパンチ力も兼ね備えており、その本塁打はすべて左腕から記録するなど、左投手に対してOPS1.354と相性の良さを示した。一軍では代走での起用が多く、左投手との対戦はわずか12打席と自身の強みを最大限に生かしきれてはいない。起用法によっては打撃面での活躍も十分に望める選手である。
楽天の渡邊佳明は、今季のイースタン・リーグ首位打者に輝くなど、バットコントロールが持ち味の選手。二軍では77試合に出場して打率.372の好成績をマークするも、チームのレギュラークラスには左の巧打者が多く、内外野のどこでも守れる汎用性を持つ渡邊佳でも一軍では25試合の出場にとどまった。加えて、若手にも黒川史陽や武藤敦貴といった左打ちの有望株が控えており、来季以降もチーム内で激しい競争が繰り広げられる見通しだ。代打としても起用が望めるセ・リーグの球団では、持ち味を発揮する機会が増えるかもしれない。
ソフトバンクの水谷瞬は、身体能力に優れた右打ちの若手外野手。高卒5年目の今季は二軍で83試合に出場し、ウエスタン・リーグの平均を上回るOPS.725を記録した。チームのファーム日本一に貢献する働きを見せたが、いまだ一軍での出場機会は訪れていない。これは水谷が守る外野の両翼に、柳田悠岐と近藤健介という球界を代表する強打者が在籍していることも影響している。この高い壁に加えて、今オフには巨人からウォーカーの移籍が決まるなど、今後も外国人打者との競争が続くことが予想される。同級生の万波中正(日本ハム)は、3年目に一軍で打率1割台ながら49試合で起用されるなど経験を重ね、今季は25本塁打を記録するまでに成長を遂げた。同タイプの水谷も出場機会を得られる環境であれば、万波のような主力選手となる可能性を秘めている。
一軍で18、19年に2年連続20本塁打をクリアした実績を持つロッテの井上晴哉。今季は打率1割台と振るわなかったものの、二軍では打率.293、チーム2位の7本塁打とそのバットは健在だ。また長打力だけでなく、出塁能力が高いことも特徴のひとつ。今季イースタン・リーグで200打席以上に立った73選手の中で3番目に低いボールゾーンスイング率を記録するなど、優れた選球眼を発揮して出塁率.393をマークした。チームではポランコが本塁打王のタイトルを獲得する活躍を見せたが、近年は外国人野手が機能していないチームも少なくなく、井上が貴重な和製大砲として出番を得る可能性もあるだろう。
オリックスの西野真弘は、日本シリーズでのスタメン起用があったものの、レギュラーシーズンでの出場は43試合にとどまった。今季は打率1割台と結果を残せなかったが、昨季は打率.289を記録するなど、巧みなバットコントロールを売りとしている。また、直近5年間では犠打を18回試みてすべて成功させるなど、小技に優れているのも長所。スクイズやエンドランといった作戦への対応力が高く、攻撃の選択肢を広げることができる貴重な存在だ。